話題:失敗談

この前心療内科を訪れた時、受付の人たち三人がパソコン画面を見ながらざわざわしていた。他人が声をひそめて話していると、なんだか悪口を言われているようで肩がきゅっと縮まる。「すみません、何時に予約した○○ですけど」と保険証と診察券を出してもなお、ざわざわ、ひそひそ。「だからあの子は間違うのよ」「後から聞けばいいじゃないね」少し年上の二人が言うので、自分のことだ！と確信し心臓が口から飛び出そうだった。

一人がどこかに電話をかけ「こういう場合はどう処理すればいいんですか？」とか何とか、パソコンのキーボードを叩きながらおおきな声で話し始めた。そのうちにわたしは診察室に呼ばれた。

診察を終えて後は支払いをするだけ、となった時、入りたての一番若い受付の人が名前を呼んだ。「あの、実はですね。この前のお支払いの時、10円足りてなかったみたいなんですよ」「？」「howさんが10円少なくお金を出してたみたいで計算が合わなかったんですね。なので今日一緒にまとめて払っていただいてもよろしいですか？」「アッ、ハイ、ワカリマシタ」片言の挙動不審な返事をして、言われたとおり少し多めに小銭を出す。

病院を出た帰り道、迷惑をかけたんだな、と思うと少し涙が出そうになった。レジの支払いのときはいつもとても緊張する。700円の物を買うのに1000円札を出すとか、1500円の物を買うのに2000円を出すのは間違えないのに、小銭が絡んだ瞬間このポンコツな頭はうまく働かなくなるみたいだ。