Nさんが、
私の仕事終わりを待っててくれた。


疲れてるのに、
無理して待っててくれたのは、

明日からしばらく会えないから。


ファミレスで簡単な食事を取って、
Nさんの車の中で少しお喋りをした。




『実は今日、
歯が痛いんだよね( ̄∇ ̄)』



『えっ? 虫歯? 今も痛い?』



『昼間鎮痛剤を飲んだんだけど、
だんだん薬が切れてきてるような…』



私は持ち歩いてる鎮痛剤をNさんに飲ませてあげた。


『私が、手当てしてあげる。』



Nさんのほっぺに手を当てると、
彼は私に体を預けてきた。



『明日休みでしょ?
必ず歯医者さん行ってね!』



『ん…

でも、こうしてると痛くなくなってきたよ。』



『そうよ、これは魔法の手だからね。
でも、虫歯は治せないから治療には行ってね。

じゃなきゃ今度のデート、
置いてきぼりにするから( ̄∇ ̄)』



『は〜い(^^;)』






Nさんに おやすみを言ってから
思い出していた。



私にとっての『魔法の手』は、

けんちゃんの手だった。



頭が痛い時、
お腹が痛い時、


特に生理痛でツラい時は、
何十分でも何時間でも
痛いところを温めてくれた。





これからは、


私が Nさんの魔法の手になろう。





明日から、
有給を取って東京に行きます。


Nさんそっちのけで、
娘とデート…だね。