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後出しジャンケン

どうしたらいいのかわからない…

『それは、進路のこと?』

一応聞いてみた。


そんなわけはない。
進路くらい自分で決められる。


『好きな人でもできた?』


首を横に振る。



長い時間待って、
消え入るような声でけんちゃんが言った。


『僕、
ねーさんに何もしてあげられない…』


『いつも助けてもらってるし、
心配してくれてるじゃない!』




『ねーさんと、
ずっと一緒にいたいんです…』



その言葉だけで十分だった。





『けんちゃん、
ずっと一緒になんていなくていいんだよ。

けんちゃんは夢を叶えてちょうだい。
そのために今まで大学で頑張って来たんでしょ?』


けんちゃんが、
私の一番言って欲しい言葉をくれたのに、

中身のない言葉しかかけられない私。


更に号泣して、胸が痛くなるほど泣いてるけんちゃん。


私のことを、真剣に考えてくれてるんだ、


とても愛おしくて髪や体を撫でて慰めていたら、
突然 後出しジャンケンみたいに彼は呟いた。




『実は、
僕のことを好きだと言ってくれてる後輩がいて…』


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