電話

レンが最近、電話をくれるようになった。
前は電話なんてくれなかったのに。
必ず「よっ」なんて軽くよこしてくるけど、話し出せば30分は止まらない。
茶化しても必ず「逢いたいなぁ。愛してる!?」と訊いてくる。
やっぱり私の薄っぺらな愛は伝わってないのかもしれない。
だから不安定になって訊いてくるのかも。
レン「何で愛してるの?どこを愛してるの?」
困る…
私にとって愛は可愛がること。
守り与えること。
レンを可愛がることはできないし、守る必要も私から与える必要もあまりない。
レンも人間だから弱いとこも足りないとこもたくさんあるだろうと思うけど、私がそれに気付かなければ意味がない。
レンは弱い部分を隠すのがうまい。
私はそれに気付けない…
愛に飢えてるのは確かだ。
でも孤独も愛も両方求めてる気がする。
近くに居なくても誰かの心に居たがってるのかな。
分からない、人を遠ざけるくせがあるのか?
レンが言ってた。
「俺はすべてを利用する人間だよ。だから友達がいないし、妻もいなくなった。全部分かっててやってることだよ。もしかしたら、〇〇も利用してるかもね。一番最初に会った時から分かってたよ?こいつ俺に惚れるなって♪」
計算で人生上手く行ったらレンはきっと今頃もっといい生活をしてる。
強がりめ。
電話だって、さみしいからよこすんでしょ?
…違うの?
レン「体調はどう?安静にしてなきゃだめだよ?俺なんでお前みたいなやつ愛しちゃったんだろ〜、どこにでも居そうなのになぁ(笑)」
どうして、私なの。
私みたいな奴なら誰でもいいはず。
てか、惚れてくれたら誰でもいいんじゃない?