別人の怠慢

今の私は別人
昔の私も別人
いつの間にか生まれ変わって
その度に思うけど私は私が好きじゃない
昔の私は消えそうなほど細い糸に繋がれてかろうじてここに居た
今の私は太くて毛羽立った糸を生やして強くここに根付いている
大きく違うが、どちらも居心地がいいわけじゃない
今は傲慢で強情で根拠の無い正義を振りかざして生きている
汚い大人を目指して生きている
幸せにあやかってのさばっている
自分がなかった私が
今じゃご立派に自分を固めてる
人は変わる
過程を間違えるとこんな人間になってしまう
素直に受け入れ、心穏やかにいたいのに
どこか俯瞰で見ていて、その時々に見合った感情は乗ってこない
あの時に比べたらだいぶ重いけど
中身が詰まったものではあるけど
自分の人生に熱中できてない

不安の水がいっぱいで
水面は揺れているのに底は丸見えで
栓を抜けばあとは流れて消えるだけの恐怖は
今はない、まるでない

生い茂って伸びきったツタがぐるぐるに巻き付くような
足がコンクリに埋まっているような
息苦しさはある

成長できているかと言ったら
これは成長ではないんだけど
無駄に肥えた気はする
体じゃないよ?いや体もだけど
肥大した怠慢を腹に抱えてるような

そんな今日この頃