「辛いことがあると偉いのか? 辛いことがあって辛抱してると偉いのか? 俺なら辛くないようにするけどな…」

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「裏切られてもいいんだ。裏切った相手が卑怯 になるだけで、 わたしのなにが傷つくわけでもない。裏切っ て卑怯者になるよりずっといい」 主人公の女性の台詞。
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「人はね、景麒、 真実、相手に感謝し、心から尊敬の念を感じ たときには、自然に頭が下がるものだ。礼と は心の中にあるものを表すためのもので、形 によって心を量るためのものではないだろう 。」

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「ほんとうなら、おいらなんかが口をきける 方じゃねえ。陽子、なんて呼び捨てにも、も うできねえなぁ」 「わたしは、わたしだ」 「そういうわけには」 「どこがちがう。なにが変わったの。友達に 豹変されるような地位が王座なんだったら、 そんなもの、わたしはいらない」 「そういうのは差別っていう。楽俊はわたし を海客だからといって差別しなかった。なの に王だと差別するのか」 「わたしが遠くなったんじゃない。楽俊の気 持ちが、遠ざかったんだ。わたしと楽俊のあ いだにはたかだか二歩の距離しかないじゃな いか」 「……おいらには三歩だ」 二人の登場人物の掛け合い。
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最初の台詞の続きがありましたね、

「裏切られてもいいんだ。裏切った相手が卑 怯になるだけで、私のなにが傷つくわけでも ない。 裏切って卑怯者になるよりずっといい。」

追いつめられてだれも親切にしてくれないか ら、だから人を拒絶していいのか。 善意を示してくれた相手を見捨てることの理 由になるのか。絶対の善意でなければ 人に優しくすることができないのか。人から これ以上ないほど優しくされるのでなければ 、 人に優しくすることができないのか。

「…そうじゃないだろう」

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陽子:「皆、立ちなさい」

景麒(けいき):「主上・・・」

陽子:「景麒にも聞いてもらおう。私は人に 礼拝されたり、人の間に序列あることが好き ではない。相手の顔が見えないことが嫌だ。 人から叩頭されることも、叩頭する人を見る のも不快だ」

景麒:「お待ちください」

陽子:「これ以後、礼典・祭典・及び諸々の 定めある儀式・他国からの賓客に対する場合 を除き、伏礼を廃し、跪礼・立礼のみとする 」

景麒:「主上」

陽子:「もう決めた」

景麒:「侮られたと怒る者がおりましょう」

陽子:「他者に頭を下げさせて、それで己の 地位を確認しなければ安心できない者のこと など、私は知らない。それよりも、人に頭を 下げるたび壊れていく者のほうが問題だと私 は思う。人はね景麒、真実相手に感謝し、心 から尊敬の念を感じたときには、自然に頭が 下がるものだ。他者に対しては、礼をもって 接する。そんなことは当たり前のことだし、 するもしないも本人の品性の問題で、それ以 上のことではないだろうと言っているんだ」 景麒:「それは・・・そうですが」

陽子:「私は、慶の民の誰もに王になっても らいたい。地位でもって礼を強要し、他者を 踏みにじることに慣れたものの末路は、昇紘 (しょうこう)・呀峰(がほう)の例を見る までもなく明らかだろう。そしてまた、踏み にじられることを受け入れた人々が辿る道も 。人は誰の奴隷でもない。そんなことの為に 生まれるのじゃない。他者に虐げられても屈 することない心。災厄に襲われても挫けるこ とのない心。不正があれば正すことを恐れず 、獣に媚びず。私は慶の民に、そんな不羈( ふき)の民になって欲しい。己という領土を 治める唯一無二の君主に。そのためにまず、 他者の前で毅然と頭を上げることから始めて 欲しい。諸官は私に、慶をどこに導くのかと 聞いた。これで答えになるだろうか。その証 として、伏礼を廃す。これをもって、初勅と する!」

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「――わしは道を貫いたつもりじゃった。 だが、道とは他者の命を犠牲にするもので はあるまい。 ならば、わしの貫いたものはなんだったの じゃろうな。 ・・・この歳になっても、まだこうして迷 う」 「・・・はい」 「ときどきわしは、道を説くことよりも、田 を耕すこと、 武器を持って戦うことのほうがはるかに意 義があるように思えることがある。 偉そうに人を教えてもこのざまじゃ。 ならば、秋に実りのある農民のほうがはる かに意義のあることをしておる」 「遠甫は民に種を播いてらっしゃるのではな いのですか」 遠甫は陽子を見上げてくる。 「・・・なるほどな」 息を吐いて、遠甫は笑う。 「わしのように長生きしても、まだ迷う。陽 子のような若造に諭される。 人というものはその程度のものじゃ。 お前さんが自分を蔑んだり、軽んじたりす る必要はない」 「そうでしょうか・・・」 「その程度のものじゃと、知っておくことに 意義があるのかもしれんな」

***

本当に苦しかったらさ、 人間ってのはそこから抜け出すために必死 になるんだよ。 それをする気になれないってことはさ、 ねえちゃん、 実は抜け出したいと思うほど苦しくなかっ たんだよ。 死ぬ気になるほど辛くなかったんだよ。 気持ちよく不幸に浸ってるやつに、 同情するやつなんかいないよ。 だってみんな自分が生きるのにいっしょう けんめいなんだから。 自分だって辛いのに、横から同情してくれ 、 なんて言ってくるやつがいたら、嫌になる よ。

***

「知ってなきゃいけなかったんだ。公主の祥 瓊より、おいらの方が芳に詳しい。それって 襤褸を着るよりも恥ずかしいことだって、分 かってるか?」

「毛織物の服は恥ずかしいかい?けど、世の 中のほとんどの人はそれを着てる。誰もそれ を恥じねえのは、それが自分の手で働いて得 た最上のものだからなんだよ。」

「なんの努力もなしに与えられたものは、実 はその値打ちぶんのことをあんたに要求して るもんなんだ」






知らない人は何のことだかさっぱりわからない記事ですいません。

悩んだり、迷ったりすると
十二国記にでてくるセリフを思い出しています。
この作品を、もっとたくさんの人に知って欲しいなぁ...

傑作です。

理想と現実は違うとか
本音と建前を使い分けるとか

たまに、うんざりする。
わかってるけど、うんざりする。

そんなとき、自分のこころの中くらいは
ぶれずに信じていたい気持ちがある。

それが、この十二国記の中ではたくさん表現されていて、私の心はこの作品にとても救われてる


今はもう大人になることに戸惑いはないし、
この世の中で働くことの意味もなんとなく自分のなかで見いだせてる。(もうすぐ無職になる身ですが(笑)


でも、やっぱり疲れちゃうこともあって
そんなときは素敵な作品に救われます




今日は情熱大陸に癒されてますー
東出さんの考え方好きだな


明日からお仕事の方は よく眠って下さいね

私は夜勤明けなので、これからまだちょっと夜を楽しみます
ごにょ、
05/18 23:55
(0)




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-エムブロ-