2018年2018年言ってますが、
今回の、2018年の成長具合がヤバい。

12月31日、「大晦日!大晦日!」ってはしゃいでて、
ちょこっと日本酒飲んで、
まだ22時だったので、
ちょこっと仮眠しようかなー!


と思って起きたら、
既に2018年から数時間経ってた。

あれれれれーー??って。
コナンくんぐらいわかり易く驚いてみたけど、

早い。2018年の登場の仕方が、
高度成長期ぐらい目まぐるしい。

こちらとしては、
まだ全然2018年に突入する準備が出来ていないというか、
なんなら風呂も入ってなければ着衣も2017年のまま、ヨネスケっぽく2018年が来やがったわけです。

でも待って待って、
そもそも、365日も生きましたっけ??
って聞かれると、ちょっと怪しい。

まだ2017年のライフポイント残ってる気がする。

っていうのもですね、





2017年のね、夏真っ盛りと言われる夏にね、
仕事帰りでよっこらよっこら坂を登りまして帰路についたとある日、
もういち早くお風呂に入りたくて入りたくてね。


疲れと汗を、なんなの?ディメンターなの?
ってくらいの勢いで吸い取った服を、
キューティーハニー並の速さで脱ぎ捨てた。
インナーとブラを一気に脱ぎ捨てた時は、
一瞬ハニーフラッシュが炸裂するかと思ったよね。

それくらいね、すぐにお風呂に入りたかった。

で、ものの見事にスッポンポンなわけ。
マンモスとか食べそうな時代っぽく。
石器時代って名を人生で語れるとしたら、
あの瞬間がピークでした。

こんなに丸腰って言葉が似合うの、
ナメクジかあたしかっつー。
生まれたての赤ちゃんだって颯爽と看護師さん達が毛布でくるんでくれるっていうのに。

それでも現代人のプライドっていうか、
タオルを浴室に持っていこうとタンスをごそごそ探したんだけど、


もう全然、現役のタオルが見当たらなくて、


おめぇ、最後に仕事したのいつ?

みたいなハンカチしか出てこないの。
既に定年迎えましたみたいな。


っていうのも、あたしんち、結構タオルの守りが堅くて、
マヌエル・ノイアーでもいるのかなと錯覚するくらい、
ちょっとやそっと使っただけでは無くならないんですが、
その守りにあぐらをかいて、
1ヶ月くらいタオル洗ってなかった。

暑さが引きこもりに拍車をかけて、
プライペートな外出をしない分、ずっと出勤時のスーツだけおしゃれ洗いしてたけど、
まぁ、気づいてた。
未洗いのタオル勢、山の如しって現実には。

ホテルで用意されてるような、洗剤のCMに出てきそうな外向けのタオルも何枚かあったんだけど、
ここぞとばかりに使いまして、タオルっつータオルの、ライフ0。
夏場っつーか、もはや山場。

なんとなく夏のテンションで、なんとかなるっしょっ!
って気楽に考えてたのが悪かったんだと思う。
なんってーか、織姫と彦星も年1の頻度で上手くやれてっから。ヨユーヨユーってね。

現実は、ドラクエだったら所持金なくて、皆棺桶って場面。
あんなに心強かった仲間(タオル)が一転して、
なんなの?なにしてたの?屍なの?みたいな目で見てくる。

でも、スッポンポンっていう、
もうお風呂入る気満々って意気込みがどの角度から見ても伝わるこの状況において、
今から洗濯する気なんて全く起きませんし、
かと言って定年後のハンカチを取り出す勇気もちょっと足りない。


だってそのハンカチね、
折りたたんでるの拡げようとしたら、

パリッ っていったからね。

絶対めっちゃ汗かいてるけど、あたしのが綺麗。
最近階段登る時、膝ら辺パキッ っていうけど、
いい勝負だとしても多分きっと勝ってる。



でも、さすがにタオルなくして風呂は入れないんじゃない?
手やら足やら振り回して水気を飛ばすのも、
なんかちょっと怖い。お祓いみたい。
勢い余って塩とかね、撒いちゃいそう。

って思ってたんだけど、あまりにお風呂入りたくて、
なんかもう、いいかなって。

戒めのために水気が乾くまで生まれたての姿でいるのも悪くないかなって、
子鹿だって産まれた直後に「立つ」っていう試練与えられるわけだし。

と、ふと部屋の隅に視線を落とした時、



あった!

タオルあった!!

出会っちゃった!!!

高揚を隠しきれずにデューク更家みたいなウォークで近づいてね!
これこれ!タオル!水気を取る感じのこれー!!




って、というより、まぁ、

タオルって言っちゃうとちょっとおこがましくて、
ハンカチにちょっと毛が生えた感じの割と大きめな生地っていうか、
会社の人からお土産でもらった日本酒に巻いてあるやつで、


いえばまぁ、名も無き布なんですけどね。


お遊戯会でいえば友人Bが持ってる木の枝的な位置。

渋めのデザインが良さげだったので、
さっと手洗いして軽く干してたこの布が、
ここにきて主役級にクローズアップされてる。
ノーマークだった布がまさかのメインキャラ。

ちょっとね、一瞬躊躇った。
布かー、、って。

でもね?

「ラスボス(風呂に)いる部屋にはいりたかったら、俺をもっと活かしてみ?」って雰囲気出してる。
「欲しいんだろ?俺が。」っつって。

オーケーオーケーっ。
乗ってやろうじゃんよ。って、
おもむろに窓を開け放してちゃちゃっと取ろうと思った瞬間ですよ、




このタイミングで入ってきたまさかの、蝉。




数週間のうちにメスとイイ感じにならないと、
地中での生活がマジ卍っていう、蝉。ご来宅。



まじで?



こんなにも自由度の高い空の世界で、
おめぇ、、なんでこの窓選んじゃった??
晩御飯時に突撃訪問する時にはせめてインターホンは鳴らそうってヨネスケに教わらなかった?

こちとらスッポンポンっていう状況を加味して、
割と控えめに若干腕が出るくらいの開閉度でしたし、20代も後半に入りたてですから、昨年よりも大目に恥じらいも出してたつもり。

ここにきて蝉の積極性を、恥じらいが逆に刺激するとはなー。



もう飛び込んできた瞬間、
あたしの顔の横をシュバっと通り過ぎた瞬間、
貴乃花の物真似する日村かな?ってくらい顎引きながら
「っっっめい‥‥!!!!」って、上体を後方に反らしながら咄嗟のイナバウアーで回避したわけですが、

まじで人って、状況が飲み込めない恐怖に出くわすと、声、出ないから。

「キャー!!」とか、女子っぽい美しいハーモニー奏でてらんないわけよ。音域がせめぇ。

なによりも喉より先に手足が機敏に動いて、取り敢えず防御。
上と下の大事な部分、取り敢えず防御。


この一人暮らしの女子の家に半ば強引に訪問してきたにも関わらず、

「無事、着陸。」

みないにすましてるからね、
こちらも片膝立ちで大事な部分隠しながら、臨戦態勢。
いつ火蓋を切って落とされてもおかしくない状況。



でもね、

まーまーまー、1回状況を整理しようぜ。


そちら、夏の風物詩かなんか知らないけど、見て。
こちらをまじまじと見て。


全裸なの。
今まさに風呂に入らんとしてるの。

んでさ、ここはお互いに平和にいこうよーって。
はいはい羽休めがすんだならさぁさぁ飛び立て飛び立てーー。大空を飛び交えーって、
三三七拍子で手拍子をして促してたんだけど、



あいつの羽音のが全然、手拍子よりでけぇ。
そしてめっちゃ飛び交ってる。
家の中めっちゃ飛び交ってる。

しかもさ、蝉ってね、割とデカイ。

ボディビルダー並みの胸筋。大空を飛び交う羽。
尚且つ、見事なまでのシックスパック。
そのくせピアニストを匂わせる繊細な腕、指。
あとね、体に似合わず落ち着きがない。

正直、申し訳ないけどちょっと怖い。


せっかく孵化して出れたシャバ(地上)を楽しもうと、あっちこっち行ったり来たりするもんだから、
こちらとしても全く気が抜けない。
同点ツーアウトで、俊足プレーヤーがサードホームから常に「リーリーリー」って言ってるくらいの緊張感。
オペ中だったら餅つきのリズムで、助手が手早く汗拭いてくる賑やかさ。


もう、あまりに元気よく家の中を飛び交うもんで、
ちょっとした家宅捜査みたいになっちゃって、
あたしもあたしで「そこはダメ!!」とか初めて彼氏を家に連れてきた彼女みたいな動揺の仕方でね。
その辺に置いてあった海鮮丼屋の出前のチラシで追いかけ回したんだけど、

出る気配、無し。
ところどころであいつ小休憩入れてっしね。

でもあたしも、風呂入るってミッション抱えてるから、めっちゃ誘導した。

日本に来たの初めてっていう外国人に、
凄くわかり易く道を伝えるみたいにね。
身振り手振り交えつつ、なんなら自分で1回外に出る真似してみたり。

こっちだよーって。
ここから向こうが外だよーって。



もうね、挙句の果てに電気の上とかにとまっちゃって、
数年間見て見ぬ振りをしてた誇りをね、
季節外れの雪のように落としてきたり、

時々姿消して、強制かくれんぼさせられるわけ。
ずるくない?高いとこに隠れられるその羽ずるくない?


その間ね、着々とあたしの体温は下がってるわけですよ。
サーモグラフィーで言えば黄色から紫になりかかってる。

夏といえど、そろそろ寒い。
あいつとの戦いで出た汗も息付く間もなく冷める冷める。


なので、決意した。

これは刺し違えてでも刺し違えてでも刺し違えてでも刺し違えてでも、、、一戦交えようと。


一瞬たりとも目を離さず、足の感覚だけでキンチョールのあるところまで移動した後に、
電気の上にいるあいつに近づこうと、
テーブルの上に登った。
左手にはキンチョールの蓋。
右手にはキンチョール本体。
そのうえ全裸。

しかも電気の下ですから、
いい感じで光に裸体が照らされてる。
ちょっと絵画っぽい仕上がり。ルーベンス的な。
フランダースの犬だったらネロがあたし見て感動する場面なんじゃないの??


で、少しだけ、ほんと少し、お気持ちばかりを「プシュッ」ってかけてみた。

正確に言うと、ちょっと狙いを外して驚かせて外に出てってもらおうって魂胆でかけてみたけど、

いやまぁ、ちょっと予想してた。
案の定ね、怒りに触れたみたいで、
怒りの羽ばたき方が半端ない。
ヘリの着陸みたいな迫力がね、部屋中にひしひしと伝わってくる。

笑顔で話してたヤクザに誤ってタメ語で話したらいきなりチャカ構えてきた感じで、部屋中飛び交う飛び交う。

その間のあたしっつったら、
「おっとっと」っとかってお菓子の名称唱えつつ余裕こきながら、
身近にあったうちわで腰引き気味に応戦の姿勢を見せるも、心の中では白旗。

もうほんと、マジ卍。

咄嗟にね、友人へのプレゼントを買った時の高島屋の袋があったのでね、
これだ、、!って、

本当は袋ごとあげようと思ったら、
「あっ!こっちの袋に入るじゃ〜ん!」って、
他の人のプレゼントに文字通り丸め込まれたんだけど。

「えっ、、っと、あ、効率的〜!」って、
変な褒め方になったのは、今となってはほろ苦い過去ですね。



んでまぁ、その丸め込まれなかった袋で捉えようと、
西部劇並みにお互い睨み合いながら、先方の出方に注目。
室内なのに砂埃でも立ちそうな勢い。
掃除を怠ったせいでか、砂と誇り、どちらも兼ね備えてるからねーこの部屋。


あいつのサイズに合わせて、腰を低く落とし、ジリジリと詰め寄る様ったら、まるで夏場所。
日馬富士もびっくりの構え方。

結構重度のドライアイかつ、眼精疲労持ちのあたしとしては、瞬きを封じ込めるの、頑張ったと思う。
ちょっと涙出そうだったもん。ウミガメの産卵を思わせるくらいに。

で、
一瞬、あいつが少し横を向いた瞬間、その一瞬を見逃さなかった。

「今!!!」

渾身の力を込めて、あいつに被せた!

やった、、!

捕獲、、!!!

よくやったあたし!さぁそれを!早く!下界へ!!



って、頭では分かってるんだけど、
なんせ床で捕らえたものなのでね。
そんな機敏に動けないの。体は正直ってやつ。

床で捕らえて、そこから四方をビシッと手で抑えながら、スッポンポンのまま窓にスライドする様は、どこから見ても蟹みたいでしたね。ええ。
なんせ袋の中で「ジー!ジ、ジー!!」って暴れてるので、一瞬たりとも気を許せませんから。

で、四苦八苦しながら、見事に窓の外に逃がして、


終わった、、

勝った、、、!!


もうようやっと風呂に入れるーと、
ベランダで一息ついた後、

よっぽど居心地が良かったのか、
逃がしたあいつが「ジジジッ!」って舞い戻ってきて、
網戸にガッシリしがみついてきた時は、
咄嗟にブルース・リーのヌンチャク並の手の動きで網戸越しに威嚇したよね。

手、絡まるかと思った。


いやもうほんと、「ちょ待てよ」
みたいな背後からのアクションしていいのキムタクだけだからなまじで。木村と拓也じゃなくてキムタクだけだからなほんと。

って感じで戦いを終えまして、
ようやっとお風呂に入り、その後数ヶ月、
いつも通り過ごてたんですけど、


2017年、師走。
先日ですね。ええ。


えっと、

実を言うとあの日、捕獲に使った高島屋の袋の中に、友人にしたためたレターが入ってたのね。
プレゼントと一緒に渡そーって。

でもその日、渡すの忘れて、
後日、友人が見てるその場で改めてしたためました。
見られてるなら書くより言った方が早くない??と若干疑問に思いながら。



で、先日です。
洗濯物を干してた時に、蝉を逃がした時の高島屋の袋が、クーラーの室外機の後ろからですね、
紙袋とは思えない生命力とともにベランダ脇から、
カサカサ、って申し訳無さげに、擬音と共に出てきた。
あの死闘を繰り広げた袋が。

蝉事件の後、なんとなくもうあたしの中では過去のことになってたので袋の回収とかね、しなかったんですね。
窓開けたらまた来るかもしれないしなーって。
しかも室外機の裏っぽいところに入ってったしなーって。
引っ越す時でいいかーって。
引っ越す予定ないけど。


で、
結構、袋の中のレター的にも、まだまだいける、読める、みたいに現役感出てきたので、
一応、友人に一部始終包み隠さず事情を話しつつ、
「この前あげた手紙と、内容変わらないんだけどねー!」って
でもちょっと受け取って欲しさを醸し出しながら、
おずおずと出してみたんだけど、

「あ!じゃあ大丈夫!」

って、フィギュアスケート並みの華麗さで断られたから、
2017年も華麗に滑って、終わった!!


ってことで今いくよ!2018年!!