*はじめに*
登場人物紹介などは、『オリジナル小説『純血の殺し屋9』紹介』と表記されている日記をクリックした次のページに書いてみました。
小説は、小説と言うより脚本のように誰が何を喋っているのかが分かるようになっています。
単に、作者自身が混乱しないようにというために。←
誤字や内容の綴りにおかしな点がありましたら、すみません。
最後に言うのも変ですが、興味があったら読んでみてください。
あ。
この作品は、ミステリーサスペンスです。
あと、キャラクターの設定が少年漫画風になっています。
あと『♪』……お許しください人( ̄ω ̄;)
あと最初なので、
話題:創作小説を貼らせて頂きます。
次から、『純血の殺し屋』の第9章です⇒
story.1:『面会室』
第8の槐事件から帰還し、3日が経過した夕方頃、水嶋は高柳と2人で警察病院にいた。
個室の面会室のソファーに腰を降ろし、目の前にいる第6の槐・六条薫と話をしていた。
薫:「……もういいですか。そろそろ疲れました」
話がひとしきり終わると、薫がそう言って退室を希望する。
薫:「僕は関係者だけど、警察じゃないので分からないことを聞かれても答えられません」
水嶋:「そうだな。話したいことは一先ずしたし、今日はこの辺にしよう」
水嶋がそう言うと、姫井は地図を畳んで法子に手渡した。
姫井:「薫くん、お疲れ様。ゆっくり休んでね」
薫:「ありがとうございます…………あっ、」
姫井にそう口にした薫が何か思い出した。
水嶋:「うん?どうした?」
薫:「ああ、えっと……何でもないです。失礼します」
法子:「じゃあ、次は真幸くんを連れて来るわね」
水嶋:「分かった。」
薫のことが気になりつつ、名残惜しくも薫は法子と部屋から出て行った。
すると、姫井がこう口にする。
姫井:「やっぱり槐事件のことを積極的に話してくれるのは、真幸くんだけねぇ」
水嶋:「そうだな」
姫井:「ひょっとしたら、真幸くんにしか語らせないようにマインドコントロールされてるんじゃないかしら?」
姫井の話には妙に信憑性を感じた。確かに、槐を何人確保してもヒントをくれるのも真幸だけ。
水嶋:「武長くんも協力はしてくれるけど、槐事件関係の話となるとそうはいかないしなぁ…」
姫井:「しかも話は決まって、新たな槐が出てきた時だし…。
まるで槐側の黒幕から、おこぼれを貰っているみたいだわ」
ヒントっていうね、と言いながら姫井はため息を付いた。
水嶋:「本当に、なァ…。
公にされてなくても真幸くんから新たな槐の話が出たら、覚悟しておかねーとな」
水嶋もふぅ…と息を付いてから、姫井に話し掛けた。
水嶋:「……『廃倉庫未成年少女誘拐殺人事件』のこと、なかなか調べられないか?」
姫井:「お陰さまで。誰かさんが許可しても、石塚警部が許してくれないし…」
姫井が膨れながらそう言うと、水嶋は苦笑いを浮かべて言った。
水嶋:「俺の心配してんだよ、あの人は。あの事件で散々な目に遭ったからなぁ、俺。」
死にかけたし、と言いながら自分の身体に指差して笑う水嶋に、姫井は呆れた表情をする。
助かったから良いものの、笑い事ではない。
以前、偶然見てしまった水嶋の銃で撃たれた傷痕を思い出して姫井は再びため息を付いた。
姫井:「笑い事じゃないわよ…。
………石塚警部のことだから、自分のことのように心配したでしょ、当時。」
水嶋:「そうだなァ…?あんまり覚えてないな。事件後はほとんど病院でお泊まりだったから」
水嶋は首を傾げながら言った。
水嶋:「里沙と真紀には可哀想な経験させたし……若菜のこともある。結局、槐事件が始まってから一度も墓参りに行ってない。」
水嶋はそう言ってから、何か思い出すような遠い目をしながらこう言った。
水嶋:「お前たちが言うように、あの事件と槐事件が繋がっているなら、また里沙と真紀に辛い思いをさせてしまうな。……本当に、ただの興味じゃないんだよな?」
水嶋が姫井を見ながらそう聞くと、姫井は少し申し訳なさそうにボソッと口にした。
姫井:「20%くらい…」
水嶋:「何だそれ!」
はははっ、と笑う水嶋に、姫井は力なくその場しのぎの苦笑いになってしまう。
『廃倉庫未成年少女誘拐殺人事件』と槐事件は深い関係がある。
それは、若月里沙と葉隠真紀が自分に言ってきたこと。
あの2人の話に確信があるから、姫井はどうしても事件を調べたいけど、上司の石塚が許してくれない。
水嶋が言うように、水嶋を心配してのこと。
姫井:(それとも…)
姫井が双子の話を思い出していると、ドアがノックされてからすぐに開き、第1の槐・一条真幸が慌てたように現れた。
真幸:「水嶋さん!俺の話を聞いてください!」
水嶋:「落ち着いて。どうしたの?何か思い出したの?」
真幸の慌てた様子にびっくりして、水嶋はソファーから立ち上がった。
真幸はハッとしてからすぐに落ち着いて、水嶋たちとは向かいのソファーに座った。
そして、改めて真幸は水嶋にこう話を切り出した。
真幸:「"第9の槐"のことなんだけど…」
真幸はそう口にしてから、こう続けた。
真幸:「第9の槐は危険です。
武長くんや薫さん以上に復讐心が強くて、いつ行動に移すか分かりません。」
もう行動に移しているかも、と言いながら真幸は心配そうに瞳を震わせる。
水嶋と姫井はその話を聞いて、息を飲む。
先ほど、『真幸が語り出したら覚悟』と話していたばかりだから。
姫井:(真幸くんの言うように、もう槐事件は発生してるかも…)
姫井がそう思っていた時、水嶋のケータイが鳴る。
水嶋は一旦、部屋の外へ出たら数秒でまた戻って来て言ってきた。
水嶋:「東京で、第9の槐が現れたそうだ。すぐに行くことになったから、俺たちはこれで失礼するから。」
法子:「分かったわ。気を付けてね、りっちゃん」
水嶋:「仕事中はりっちゃん呼びすんなっつうの」
法子:「あら。思わず」
真幸:「あはは」
ちゃっかりな法子に、水嶋はガクッと肩を落とす。
姫井は分かっていた。
法子は、真幸のためにわざと愛称で呼んだのだと。
まだ会って数分も経過しないうちに水嶋が帰るのだ。
すると、水嶋は真幸にこう言ってきた。
水嶋:「真幸くん、また落ち着いたらいちばんに話をしよう!」
真幸:「はい。ありがとうございます。行ってらっしゃい、水嶋さん、姫井さん」
姫井:「行ってきます!」
真幸に見送られて、水嶋と姫井は面会室から出て行った。
------------To be Continued...