話題:友達とごはんに行きました*


先日、京都の大学院を卒業し、世界的な電機メーカーに就職した高校時代の友人と会う機会があった

そいつも大学時代はラーメン部隊のような組織に属していたらしく、京都を中心に、行ける範囲のラーメン屋は制覇したと言っていた

だから俺ともラーメンを食べようとなったのだが、2人して初めての店に入ってしまった

そいつは、一番値段の高いチャーシュー麺の大盛を注文しておった

俺は一番ベーシックなラーメン並盛

ここでもう、こいつとは相容れないことがわかってしまった

初めて入る店では、一番ベーシックな(値段の安い)ラーメンを食べてみることで、その店のラーメンに対する思いが推測できる

一番安い品に力を入れていないようでは、他のどの品を食べても美味くはないだろうし、その店の未来は明るくないと思うのだな

安い品が美味ければ、その上はトッピングの種類で値段が上がって行くだけなので、その日の懐具合で品を選べばよい

だが、最初から一番高い品を選ぶと、チャーシューの枚数だとか柔らかさとかに照準が移ってしまうため、麺とスープのバランスだとか、それぞれの味を堪能することができなくなる

このようなことを説いてやったのだが、そいつには全く効かなかった

未だ、質より量の人

量が多ければ味は二の次と考える奴

ラーメンでも何でも自由に好きな物を食えばいいのだが、これではただのラーメン好きに過ぎない

ラーメン部隊出身という肩書きは外せ!と言いたかった


ラーメン屋に入る前の雑談時でも、「ん?」と思う瞬間が多々あった

会話が楽しくない奴って言うのかな、相手を立てて話すことができない奴だった

それはつまり、自分の事しか話さないに近いものがある

こういうタイプは同僚や上司に好かれない

こいつの未来が何となく見えてしまった




彼女もいないと言っていた

車の免許は取ったが、車も持っていないし、あまり運転しないそうな

女が「海が見たい!」と言った時、こういう奴はどうするのだろう

電車で行くのか?


高校生じゃないんだから…



まあ、ラーメンの注文の仕方が気に入らなかったせいで、久しぶりに会った友人を全否定してしまう俺もちょっとどうかしてるな

俺は俺の道を歩めばいいだけだった


だが、そいつが、「また会おう」と言って駅の方へ歩いて行った姿を見て、お前とは会わないと思ってしまった

高校までは同じ環境にいても、束縛から解き放たれた大学生活の場が違うと、考え方や生き方も変わってしまうのだね


どちらも正しいとか間違ってるとかそういうことではないのだが、ラーメンの注文の仕方が違うだけで、別の世界の人間同士だと思ってしまった

こうやって、少しずつ友達が減ってしまうのだね

だが、そんなの別にどうってことない


ラーメンは並だったので、すぐに腹が減ってしまった

それで山田に行って、冷やし中華の大盛を食った

これでヨシ