朧月の浮かぶ夜
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有難うございました
2023/02/27 01:07
長らく更新出来ず、すみません。
色々あり、更新する気力もありませんでした。
此処から先は暗い話になるので、閲覧注意でお願い致します。
気分が悪くなったり、不快に感じたりするかもしれません。読むのであれば、自己責任でお願い致します。
吐き出させていただければと思い、筆を取りました。
ご理解いただいた方はお進み下さい。
昨年の2022年6月、大切な大家族の一人が亡くなりました。唐突な死でした。
死因は自殺でした。
数日前にも会っていたんですよ。
その時は馬鹿やって笑って。本当に何ともない、いつもの日常でした。
それが突然の自殺で、受けた衝撃は計り知れないものでした。
何を冗談を言っているんだと思いました。でもね、本当だったんですよ。
相談に乗ってくれたり、時には励ましてくれたりしていたあの優しい人が。
笑って過ごしていたあの日常が、目の前で一瞬にして無くなりました。
部屋からは日記が出て来ました。日記なんて書くような人じゃないのに、此処数年の事が書かれていました。
楽しい事、嬉しかった事、馬鹿騒ぎした事。
何て事ない日常が、次第に辛い事や悲しい事、悔しい事へと変わっていきました。
仕事での苦痛が大きくなって、にっちもさっちも行かなくなった事が書かれるようになり、苦しんでいる事を知り、頭を鈍器で殴られたような気分になりました。
だって、一緒に居たのに気付いてあげられなかった。隠していたかったんだろうけど、微塵も感じ取ってあげられなかった自分に腹が立った。
歳上だったから、年下の俺らに愚痴を吐くのは嫌だったのか? 恥だと思ったのか?
そんなの関係なく、俺は言って欲しかった。
大家族だぞ?そんな遠慮なんてしなくて良かったんだよ。
受け止める度量も、一緒に理不尽な事に対して怒りを向ける事だって出来るんだよ。言えよ、マジで。
優しい貴方はきっと俺達に負担が掛かると思って隠してたんだろうけど、そんな優しさ、こんな時には発揮しなくて良い。
葬儀場で見た大事な仲間は、静かに棺の中で眠っていた。化粧を施され、綺麗にしてもらった姿。
生きているみたいな錯覚を起こす。今にも立ち上がるんじゃないかって。
綺麗な顔をして眠る貴方が目を覚ましてくれそうで。
でもそっと触れた顔は冷え切っていて。これが現実だと突き付けて来る。
『最期まで相談に乗ってあげられなくて御免な』と言う、俺に向けた日記の一部が頭から離れない。
負担になっていたのだろうか。苦しめていた相手のうちに、俺も入っていたりしていたのだろうか。
辛くても涙なんて出ない。衝撃が強すぎて、涙も出やしねぇ。
火葬をする話になり、何か入れるものがあればと聞かれて、我々大家族はその日記を棺に入れる事にした。
勿論、本物の家族から了承を得て。
辛かった事を一緒に浄化してもらい、安らかにあの世に行けるようにと言う、俺達からの手向け。
有難う、兄貴をやってくれて。
御免な、負担を掛けてしまって。
悪かった、何も悟ってあげられる事が出来なくて。
こうして、ぽっかりと浮いた心は当面埋められそうもない。
愛しているよ。また何処かであったらそれを伝えたい。俺らは迷いなくお前を見付けて、熱い抱擁を交わすだろう。
それに困ったように笑うお前の姿が容易に想像出来るよ。
有難う。
思い出や楽しかった日々を俺らにくれて。
好きだよ。
先を行く、頼れる背中が。
御免な。
辛さを、苦しみを悟ってやる事が出来なくて。
愛している。
何処に行こうが、離れていても心は変わらん。一生大家族の一員だ。
絶対に忘れてやらねぇ。
声も姿も思い出も何もかも忘れねぇからな。
いつか、俺がそっちに逝ったら「馬鹿野郎!」って叱って、それでいつもの困った顔で「しょうがねぇなぁ」って笑って頭を撫でて欲しい。
友達が居なくなった俺には、いつそっちへ逝っても可笑しくないからさ。
いつかそっちへ逝く時まで、待ってて欲しいな。
俺ももう、色々疲れたから······。
有難う。御免な。大好き。愛してる。
貴方への感謝を忘れないよ。だから、ゆっくり休んでおくれ。
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