話題:妄想を語ろう
「さぁ、箱は澱みに満たされたか‥」
箱について彼女に触れさせ気付いた事
パンドラの箱‥もとい〈魔界への扉〉
魔界への扉が開く
その条件の全ては把握していない、が‥
「最低条件は、この箱を瘴気で満たす事」
拾った場所は廃墟
数多の行方不明者を最後に見掛けた場所として頻繁に上がる廃墟の名
無数の人骨が発見された
冷たく静かで物騒な、この場所
「‥待っていろ、あと少しだ」
瘴気渦巻く土地に半分埋める箱
時折、カチリ カタリと箱が鳴る
「煩いのが居ないと静かなのはいいが‥」
埋もれた箱に呟く
静けさの方が 耳に痛いと
「そう感じるんだ」
大事な言葉は飲み込み 時を待つ
廃墟に去る 貝木の影