19/12/16 23:37 (:単発/妄想(ジャンル無節操))
  ドウデモイイハナシ(閲覧注意・弱)
話題:妄想を語ろう

○○さんト鬼畜さん

「‥あぁ、、また」

上品な身なりの婦人が空を見上げ嘆く

白髪を緩く纏め 目元に皺、凛とした瞳のおかげで年齢を感じさせない。

彼女は日に何度か俯き嘆く

「なんだい、キミも望みが叶った筈だろ?」

「あら。50年振りかしら、冷たいわね」

街路樹のてっぺんに現れた鬼畜さん

「だって仲睦まじいキミ達を邪魔する訳にはいかないだろ?俺だって会いたかった」

ぐるるる‥‥ッ

「ちょっとアナタ、、!」

彼女の髪留めが割れる

彼女の頭の上、そこの空気が圧縮され
巨大な人の頭が現れる。

威嚇

蒼白になる女に一言


「いやだなぁ、恩人の顔忘れるなんてさ」

鬼畜が嗤う

俯く女

巨大な顔は消えた


「やれやれ、僕が恩人って事思い出したみたいだね」

50年前 若い恋人がいました。

ふたりは結婚を約束していた。

しかし男は暴漢に襲われ死んだ

女は嘆き苦しんだ


目が溶ける程泣いて 泣きつくして涙も涸れ果てた頃に現れた鬼畜さん

「僕が彼を生き返らせてあげるよ」

「お願いします」

突如目の前に現れた彼なら
不可能も可能にすると信じた

「うん。いいよ」

「どんな姿になってもいいです‥お願い」

「分かった、そっちね」

どんな姿になってもアナタハアナタ


かくして50年

異形の化物となり最愛の女性を守る男

彼女に好意を抱き近付く人間を噛み砕く

「おかげで再婚も出来なかったわ」

「50年も熱烈な愛情って凄いよね」

眉頭を押さえ笑う女

「そうね。死ぬまで添い遂げるわ」

女の言葉に満足して消える鬼畜

消えたあとには冷たい月が。

「‥あの人、あれで本当に人助けが出来たと思っているのよね」

満足そうに

冬の空に煌々と輝く月

照らされ影が揺らめく

「アナタ 遠回りして帰りましょ」

女の影を喰らう様な巨大な影

ぺったりとついていく




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