話題:妄想を語ろう
貝木さん、泥舟さん
ずりずり這いずる主
「這いずりながら俺の名を呼ぶな‥眠いのか?」
ねむ、い‥です。
「ちゃんとベッドで寝ろ‥。ほら」
好きだから膝を
「‥なんだ?」
隙あらば膝枕を
「まぁいい‥聞き間違いだ。分かった、少しだけ膝を貸してやる」
はいー‥
貝木さん、ありがと
「あぁもう寝ろ」
‥大好きで す
遠くで聞こえた言葉は
俺の耳に溶けて
消えた
急いで彼女を見たが
一時間以上も前から眠っていたかの様な顔で
深い眠りに就いていた。
スゥー‥スゥー‥
膝に温もりが伝わる
スゥー‥スゥー‥ス
敢えて
呼吸を合わせる
彼女の手に
自身の指を這わせた
すると、意に介さず
ぽてん と
ブランケットに
手が投げ出される
スゥー‥スゥー‥
溶けて一つに成る感覚
(あぁ‥俺も眠いな)
もう、いっそ
抱き締めて眠ってしまいたくなる
「‥おい、起きろ」
‥鼻を摘ままないで下さっ!‥苦しッ
「いつまでも寝ていると高くつくぞ」
おいくらですかー‥
「自分の身に危険が及ぶぞ」
‥お任せしまース‥
ペーン
頭を叩く貝木
「こら!寝ぼけるな」
寝ていて、
きちんと聞いてないな
主の無謀と無頓着