話題:妄想を語ろう
カーテンが風に揺れ
記憶が途切れ途切れに
現実との確認を無意識にとる
「風‥気持ちいい」
寝返り
冷たいシーツの感覚に
身を預ける
大あくび
伸ばした足に触れる
<なにか>
自分以外の感覚
反射的に足を引く
「‥無防備だな」
甘く響く声
「‥クロロ‥」
「‥かれこれ3時間は此処に居るのだが」
クロロの言葉に
ふと机を見る
「チェス‥」
几帳面に折り畳まれたパンの袋や飲み物の数を確認
「本当にずっと此処に?」
「あぁ、気配で起きるかと思ったのだが‥」
チェスの駒を持ち
思案中のクロロ
「こ、声をかけて頂ければ‥」
「この間の潜入捜査で相当気を張っていたからな‥邪魔せず寝かせていた」
静かな部屋に駒の音
「‥お相手します」
「あぁ」
駒を並べ直す2人
「えっと時間は‥」
「無限に」
仕事のパートナーの
寝顔を眺めるのは
(特権‥なんて言ったら怒るだろうな)
深夜チェス
おやすみなさい