好きだったものがふと気付いた頃には普通かそれ以下に変わっていることが少し怖くなった。

大きく思っていた自分の手のひらは、しわくちゃで何も掴めてはいない。
それを悔しいと思いながらもどこかで無理だと諦めて、自己否定にならないための理由としている。


「まだ○○歳なのに〜」という言葉はあまり好きではない。
昔の人生プラン通りなら既に折り返し地点は過ぎた筈だから。








書店や図書館といった、所謂思考の死体が眠る場所が好きです。
いくらでも時間をある程度までタダで潰せる場所だと思う。
服屋みたいに店員さん来ないから自分のペースで見れるし、何よりも空気が落ち着く。
インクと紙、そして湿気の匂い。
死体たちは誰かが欲するまでじっと身をそのまま埋めている。


変わらない何かなんてものは殆どなくて、求めても手に入れてはいけないものなんだろうな。


今日ふと入った書店の一角に「受賞作コーナー」がありまして。
様々な賞の作品が平積みしてあるコーナーを見て、ぶるっと震えた。

圧巻されたのだ。
表紙に、タイトルに、気力に。

「小説家も評論家もタイトルを付ける瞬間だけは皆詩人」というのが私の教授の教えなのだけど確かにそうだなと思いました。
とにかく、小説を書こう。







大嫌いなものが普通かそれ以上に変わる経験はほぼ無に近いので一回くらいは味わいたいかもしれない。

そういや一年半が経ったそうです。