日に日にできないことが増えていく。

昔は簡単にできたことさえ、今では何もかも捨ててきてしまった。
例えば、あなたに好きと言うこととか。怒りたい時にちゃんと伝えるとか。泣いて明日から頑張ろうと決心することとか。死にたくても死なないこととか。


擬似的恋愛ばかりして嘘ついて傷ついて何とも無い顔をしながら仕事をしつつ頭の中は欲でいっぱいだ。
女として生きたくない、なんて思いながら女を武器にして生きていく。
当たり前の日常がおそろしくてたまらないのに変わらないことに安心を覚える。




こうして暗がりで名前も知らない人のぬくもりを思い出しては自分を抱きしめるように、そっと両手を組んでねむるだけだ。