急速平行落下

分かっちゃいるけどやめられないし、本当は全てに答えがあることも知っている。それが正しいかはさておき。








ここ数年、何度もたくさんの人に何度も「しあわせになりなね、当たり前にしあわせになりなね」と呪文のように説かれてきたけど、一向に彼・彼女らの言うところのゴールには近づけないままでいる。別に現状が全くの不幸だともしあわせだとも思わない。ただのだらっとした日常の積み重ねだ。それがひどくかなしいのは確かなことなんだけど、不正解でもないんだな。

「予定がはっきりしたら連絡するから待ってて」と言われ「じゃあ待ってるね」と言った手前、こちらから連絡はしにくい訳で。いつだって会いたい側の負けだけど、おわりもはじまりもないなら、せめて綺麗に傷つけてほしい。別に私は特別な存在でも何でもないから何も言うことはできない。言うつもりもない。それでもせめて連絡がきちんと取れない人は当たり前のように嫌われるよ、と言うべきだったのだろう。










「俺のことすき？」って聞かれたら、おそらく「すきだよ」と多少のリップサービスで返す。それでも何か聞きたそうな顔をされたらキスでもして唇を塞げばいいし、さみしそうならそっと手を握ってあげればいい。足りないものは与えてあげる、したいことはさせてあげる。でも本当に一番欲しているものだけはあげられない。元々わたしが持っていないから。

多分明日も明後日も来ない連絡を待ちながら、煙草を吸い何ともない顔で愛を振りまくんだろうな。
答えはわかっているんだよ、見なかったことにしているだけで。