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魂の行方

今日は目が覚めるのが嫌になるくらいあったかくて、一日中うとうとしていたかった(春眠暁を覚えず)。




祖父が亡くなってからもう二十年近くになるが、この時期になると必ず形見分けでもらった「のらくろ」を読むようにしている。
かなり古いものだが、箱入りでとても状態はいい。
全く本を読まない家族(しかし、読む楽しさや機会は割と与えてくれた)に対して私はずっと本を読んでいたから、きっとその感覚は祖父譲りなのだろうと勝手に思っている。



音楽も好きだったそうで、時折、「もしも今も生きていたら、なんだかんだで吹奏楽をずっと続けていた私をどう思っていたんだろうか」と高校時代はよく考えていた。
勿論たられば話だから考えてもどうしようもないことなのだけど、それでも吹奏楽を辞めたいと思う度に想像して何とか10年近くやり遂げた。
全く上手くはなれなかったけどね。











久々にお墓参りをして、手を合わせた。

音楽は辞めてしまったが、今度は文学をやっている私を彼はどう思っているのだろう。
泣きながらも就活をして、どうにか世界にしがみついて、いつか自分の本を供えられたらいいなと思いながら、ライターで線香に火を灯した。
















亡き祖父の遺した「のらくろ」読み耽る私を見つめる眼がふたつ
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