17:28 2018/10/14
話題:映画感想


恐怖度 ★★★★☆
グロテスク度 ★★★★☆

公開年:2008年
配給:20世紀フォックス
監督:落合 正幸
脚本:ルーク・ドーソン
音楽:ネイサン・バー
出演:レイチェル・テイラー、ジョシュア・ジャクソン、奥菜 恵他

アメリカ合衆国ニューヨーク州ブルックリン区に在住する写真家のベン(ジョシュア・ジャクソン)とジェーン(レイチェル・テイラー)は友人達からの祝福を受け、華々しい結婚式を挙げる。新婚旅行の行き先は日本。2年前まで現地で仕事をしていたベンのファッション撮影の仕事も兼ねながらのハネムーンである。だが、貸し別荘へ向かう道中、真っ暗な夜道に立っていた女性(奥菜恵)を避け切れずに轢いてしまい、車は土手へ。ところが、意識を取り戻したジェーンが捜してみると血痕は疎か姿形すらも残さずに女性は忽然と消えてしまっていた。ジェーンは彼女の姿を確かに見たとベンに話したが、真面に取り合って貰えなかった。その後、ベンは同僚のブルーノ(デヴィッド・デンマン)も居るTGK(東京グローバル広告)で働き出し、一方のジェーンは東京観光に出掛けるが、その時分から二人の周囲では奇妙な現象が起こり始める。ジェーンのデジタルカメラに白い靄が写ったり、ベンの体重が異様に重かったり…度重なる不可思議な出来事に見舞われながら、二人は互いに異なった場所で女性を目撃する。そしてジェーンが彼女の素性を調べた結果、田中めぐみと名乗るTGKの通訳だった事が判明。しかもめぐみはベンと昔、恋仲にあった女性だった。彼女が幽霊として二人の前に現れたのは、自身を陥れた人間への復讐を果たす為。闇の中に葬り去られようとしていた一つの事件の真相が、白日の下に晒されて行く。

「この恨み晴らさでおくべきか」という言葉があるが、それだけでは済まされない恨みをめぐみが抱いていた事は後半で解って来るだろう。肉体は朽ちても魂は滅びる事なく、長い間怨敵への復讐の機会を窺っていたのだ。女の嫉妬は恐ろしいものだと言われるが、これはそうではない。恨まれて当然としか言いようがないのが事実なのだ。また娘に先立たれためぐみの母親(宮崎美子)が、彼女の遺体を家の中に安置したままにしている場面があった。それは娘を愛する母親ゆえに選んだ道なのだろうが、 ある意味屈折した愛情を感じてしまう。そういえば『相棒』にも父親を愛するあまり、既に息絶えてミイラ化した遺体を屋敷の地下へ押し込めた娘が居た。いつまでも傍に置いておきたい気持ちは理解し難くもないが、魂の安寧を願うならば遺体を埋葬してやるべきだとも思う。まあ、これは個人的な意見に過ぎないが。





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