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私の愛らしい王子様 芥川賞作家、あさぶきまりこさんのご本を読みました。 わずか100頁のご本ですのに 1週間近く読んでおりました。 とてもとても読みにくい。 小説、というカテゴリでいいのか分かりません。 とりとめなく、脈絡なく、延々と続く文章の連なり。 意味が分からないし、意味が在るのかどうかも分からない。 フィクションなのか、何か含意があるのか、作者の心の中なのか。 全くもって、理解不能。 そして、理解されたいと思っているのか否か。 けれど、眩暈のするほど、語彙が美しい。 これほど美しい語彙を使う現代文学作家を、私はほかに知りません。 これは、間違いなく文学です。 高尚な語彙を、さらりと自然に使う。 まるで普段使いの話し言葉のような気軽さとさりげなさで、 息を呑むような高潔な単語を使う。 肩肘張らず、威張らず、傲慢にならず。 さらさら流れるように、美しい語彙が現れては消える。 押し付けがましい余韻を残さずに、さらさらと。 本当に、憧れます。 憧れる、と思う作家に久々に出会えました。 私は図書館で「きことわ」 も読んだのですが 今度購入して手許に置こうかしらと思っております。 * ← → bookmark |