この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。
ログイン |
ぼやき時々車とコスプレ。だるゆる更新。
冬が明け、日差しも大分暖かくなってきた今日この頃。
桜の花が咲き初め、窓を開けると、春の香りが入り込む。私の大好きな香り。
胸いっぱいに春の香りを吸い込み、思い出されるのは彼に初めてあった時のこと。
ああ、丁度こんな日だったな。なんて思いながら窓の外を見ると、桜の木の下に、季節ハズレの白い花。
胡蝶蘭
いつもと変わらない人、時間、場所。
今日もいつもの人といつもの時間にいつもの場所でティータイム。
いつもとちょっと違うのは、
彼がいつもより多く紅茶を飲んでいることくらいで。
「おいしい?いつもと入れ方かえてみたんだ。」
なんていってみたら、ぶっきらぼうに
「美味しいのだよ」
始めは難しい人だなって思ったけど、今はそんなことなくって。
おいしいって言ってもらえたことが、ただただ嬉しい。
もう少しで飲み終えちゃうな。もう何杯目だっけ?
そんなことを考えている間に、彼のカップは空になっていて。
「入れてくるね。」
そう言って私は、席を立った。
綺麗に整頓されたキッチンで、彼に作る次の一杯を選ぶのがとても楽しくて大好きで。
種類によって一つひとつ瓶に分けられている紅茶たち。
紅茶が好きになってから、あっちこっちで茶葉を買う日々を過ごしていくうちに、気が付いたら紙袋の中は色々な種類の茶葉の袋でいっぱいになって。
それを見かねた彼が、この瓶たちをプレゼントしてくれた。
あたたかい光に当てられて、キラキラと輝くガラスの入れ物は、私にとっては魔法の瓶で、彼と入れるこんな穏やかな日々をもっと幸せにしてくれる。
「私は幸せものだなぁ」
私しかいないキッチンでポツンとつぶやいたはずなのに、
「本当だ」
と返事がきた。
振り向くと「まちくたびれたのだよ」と言いながら私に近づいてくる彼の姿。
「待たせてごめんなさい。なかなか茶葉がきまらなくて。」
「そうか。だが俺の心は決まったのだよ。」
まっすぐと私を見つめる彼の目は、今まで見たことのないあたたかさが映っていて。
その瞳に見入ってしまった私に彼はこう告げた。
「何回分だなんて、ケチなことは言わん」
「俺の一生分のわがままを使う。」
「俺と結婚するのだよ。」
「返事は後でいい。だから、早くお前の紅茶をもってくるのだよ。」
言われたことが理解できなくて、立ち尽くす私を置いて彼はいつもの場所に戻ったのでしょう。
私しかいなくなったキッチンには、さっき以上のあたたかい日差しが入って私を照らす。
え?お返事?
言葉では恥ずかしくて伝えられないわ。
だから、彼にはちょっと待ってもらうの。
私が、彼の大好きなこの紅茶と、桜の木の下に咲いていたあの花を花瓶に入れて持って行くまで。
胡蝶蘭。花言葉は色々あるみたいですが、「あなたのことを愛しています」。
この話自体は、今年の夏に考えていたのですが、NLにするか、BLにするかで迷っていて。
あとオチね。文頭と文末が決まってなくて。式と答えがないのに、証明はあるみたいな。
小説っていうか、文を書くのは慣れてなくて・・・しばらく放置。ボキャブラリー的な意味で。
色々未遂を行ってきたけど、それっぽく完成したのはこれが初めてです。処女作です。そっとここに置いておきます。
緑間×貴方
こんばんわ、まつだです。
自分のために頑張りなさい。
お久しぶりです。まつだです。