班長会議から帰ってきた朝霞クンは、難しい顔をしていた。現在星ヶ丘大学放送部では、大学祭に向けたステージの準備をしている。各班に割り当てられた枠の中でやるステージを作り上げて行かなくてはいけない。
 学祭でステージをやるということは最初からわかっていること。俺たち流刑地からすれば枠がもらえるのかという心配もちょっとあったけど、それも無事にクリア。学祭に向けて本格的に動き出した9月から朝霞クンはずっと台本を書いていた。
 それがどう。ステージの準備をしてる朝霞クンの顔が険しいのはいつもだけど、いつもと悩み方が少し違う。暫定的な台本を引っ張り出してきて、ペンを片手にそれを読み返している。
 台本の修正はいつものこと。何なら3日前に全部変わるとかも全然ある。だけど、そういう感じではない。台本とは別に白い紙を取り出して、ザカザカと引いていくのはタイムテーブルかな?