「おいおいまっつん、宏樹はどーしたってんだ」
「ここ最近、ずっと調子が悪いみたい」
「はー、まったく陰気臭くてダメだわ」
「あの、千鶴、そっとしておいてあげてね。本当にしんどそうだから」
新年度に上がった頃からしんどそうにしていたヒロさんの体調は、ひと月程が経った今でも改善の様子が全く見られなかった。それどころか、見る見る悪くなっているような気さえする。俺は医療従事者じゃないけど、素人が見てもわかるくらいにはヒロさんのヤバさがパねえ。
最初の頃はどーせ作ってんだろ、などと言ってヒロさんを気にすることもなかったツルさんも、さすがに最近では様子がおかしいなと思い始めたらしい。それでも基本的にやることは変わらず喧嘩を売りに行くくらいだけど。最近はそれすらヒデさんが止めるようになっていた。
ヒロさんのヤバさがパねえ。これはほっといても良くなることはないし、病院に行くしか解決策はないんじゃないかっていうのでAKBC内で一致している。でもそれは最終的に本人の意思に委ねられる。いくら周りが病院に行けと言ってもヒロさんが大丈夫だと言えばそうですかと納得せざるを得ないんだ。