最近、リビングの電気がひとつつかなくなったんです。もう一ヶ月ちょっとくらい前に。替えなきゃいけないねって言いながら誰も替えなくて、でもいつもそっちばっかりつけてたもんだから、どうしても習慣的にスイッチを押してしまって、つかなくて、ああそうだったって気付いてみたいなことを繰り返してたんです。だけど、そんな動作さえも習慣的になって、押す前に気付くようになって、自分でも気付かないうちにもうひとつのスイッチを押せるようになっていて。

いつの間にか、違和感さえもなくなって。

いつか、彼のこともそういう風に、違和感さえ持たず思い出さなくなるのでしょうか。

そう思うと、嬉しいような、哀しいような、わからないけれど、涙がでそうになります。

不毛な恋だから忘れたいのに、三ヶ月前の私が、どこかで彼を好きでいる私が、忘れないでって叫んでいて。頭がぐるぐるする。

思い出になる前に、彼が一度でもこちらに近付いてきてくれたら。そう思わずにはいられない私はやはり他力本願の弱虫野郎なんだろうなあ。