内緒のお話

今日亮さんに会った。
私の会議が長引いて、会える時間が予定よりさらに遅くなる。
会社から出て小走りで待ち合わせの私の家へ。
来月行く旅行の新幹線の予約を一緒に。
会える時間は一時間。
きっかり一時間。いつものように。
その間にセックスすることもあるけれど
きっかり一時間で帰られると、余韻もなくてとても悲しくなることがある。
悲しくなる私に申し訳なさそうな亮さんとのやりとりを
今まで何度も繰り返したから、今日はセックスをしないと亮さん。
新幹線の予約をした後の20分ぐらい、ひたすらキスをしていた。
お互いを求める気持ちが高ぶるのを抑えながら、
帰る時間を気にしながら。
今日は特に帰る時間が近づくほどに私は切なくなって悲しくなった。
彼には私より大切なものがある。
私は彼の一番ではないという事実に身が引きされそうな強烈な哀しみが湧き出てくる。
別れ際は、そんな私の気持ちが表情と態度にそのままでて
そんな顔しないでよと亮さんに言われる
別れをずっと拒否した私
それでも帰る支度をする亮さんを見ていて
更に悲しくなる
今日初めて別れ際のキスを拒否した

付き合う前
初めて私が亮さんへ想いを伝えた時、
「絶対傷つける」と亮さんは言った。
その通りに、定期的に私は亮さんのことで傷ついている。

亮さんとの関係は一筋縄ではいかない複雑さがあって
この関係を解消したいと思うことも何度かあった。
最近は、そういう気持ちになることがあまりなかったけど
今日はぶり返してしまった。

亮さんが帰った後、一通り泣いて少しスッキリした。

亮さんのことが好きになればなるほど、亮さんからの愛情を受ければ受けるほど
この関係に未来はないという現実を突きつけらた時に
その不条理さに苦しくて、悲しくて、絶望する。

亮さんが帰って30分後にかかってきた電話も
「ゆっくりいれなくてごめんね」のLINEも無視している。

しばらく距離をおきたくなるのです。
亮さんのことを考えても何一つ物事は改善しないのです。
そういう時は距離を置くのが一番で、趣味や仕事に没頭して冷静になった後に
しみじみと亮さんのことを思い返してどうするかを決めるのがいい。

亮さんも初めて連絡を無視する私に何か感じるでしょう。
その後、亮さんが何を感じてどう行動するかで
また一つ亮さんを知ることができると思うから、よく観察して
もっと亮さんの本質を掴みたい。

私は亮さんとの関係に何かを見出したいと強く願うから。

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