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こっそり話をしよう

きっとここにはもう誰もいないんだろうなあ

自分だけが来る場所になった。

よくこの日記も続いているもんだ。

といいつつ、もう一年に一回の更新になってしまったけれど。

過去の自分にせめて近況報告をしておこうかな。

私は無事に論文を書き終わったよ。

来週にはパリで発表がある。

無事に仕事も見つかったよ。

マーケティングと輸出の仕事をしていて、

とてもやりがいがある仕事だよ。

それでもやっぱりいつだって感情を言葉にする場所を探している。

ここは落ち着く。

また会いにくるね。

おやすみ。

感性に衝動を

パリの地下鉄に乗っていた。
目の前の席には沈んだ顔をしたおじさんがいて
横には赤ちゃんの面倒を見ている夫婦が座っていた。
遠くにはキスをしているカップルがいて、
音楽を聞いている学生がいた。

それでね、お気に入りの曲をかけたんだよ。
そしたら、世界の雰囲気が変わった、
さっきまで真っ暗だったメトロの窓からの景色が
トンネルを抜けた途端に、地平線まで広がる草原になっていた

沈んだ顔をしていたおじさんも、赤ちゃんも夫婦もカップルも学生も、
みんな言葉を無くして
窓の外を見る
草原を見る、
わたしも草原を見た

どこまでもどこまでも広がっている
遠くに灯台が見える
海が近いのかもしれない

ああ、音楽だ、音楽は魔法だって言う
この景色を作ったのは音楽だ
なんて素晴らしいんだろうと思った

そんな話をしようよ
音楽を聞いた時、
目を閉じたら、海の底にいる気分になったことはある?
草原に佇んでいる景色を見たことはある?
どんな色が見えたことがある?
その時感じた気分はどんな風だった?
ねえ、そんな話をしようよ。


春と雷

Tu peux tout exiger de la vie.
Ne renonce à rien,
ni aujourd’hui, ni demain.
Parce que tu le mérites.

君は人生になんだって要求できる。
何も諦めなくて良い。
今日も、明日も。
だって君にはその価値があるから。


これは、
わたしがこれからの道に
悩んでいた時に
出会った言葉で、

雷が落ちたような気分だった。

ああ、わたしは、
いろんなことを諦めようとしていた

フランスへ行くことも
勉強をすることも
旅をすることも
100%の感情で生きることも

なにかのせいにしていた、
仕方ない、と思っていたし、
現実的で保守的でいることが
大人だと思っていた


でも
そんなのうそだ

わたしにはしたいことがあって
きっともしあと余命が数ヶ月だと言われたら
間違いなくフランスに旅をする

みたい景色がある
知りたい世界がある
それは、誰にも奪えないものだ


この言葉に出会って、
わたしは人生を大きく変えることにした。

わたしはフランスへ行く
そして論文を書くのだ

生きていることを感じたいと思った、
わたしは
生きていることを感じたい

お金はないけど
やってやる

自分の責任でやってやるんだ

もがけるところまでもがいてみるよ

おやすみ




秋と公園と

ふと、思い出すのは
一乗寺公園でひとり過ごした夜のことだ。

色々なことを考えながら、
悩みながら、
笑いながら、
泣きながら、
わたしは生きていた。

きっととてもちっぽけなことに怯えていて
それでもなにかわからない不思議な力が
わたしを包んでくれている気分だった。
夜の魔力というのかな、
なんでもできそうな気分だった。

クラムボンのフォークロアを聴きながら、
世界は自分だけのもののような気がした。


寒くて寒くて、空気が澄んでいて
誰もいない公園、閑散とした景色
星が瞬いて雲が流れていく空では
月が泣いていた。


明日のこともこれからのことも
何もわからなかったあの頃のわたしは
ただ目の前の感情だけが見えていて、
それだけが全てだった。


明日死んでもいいと思っていた、
いや、ほんとうは死にたいなんて思ってなかったけど、
死ぬなら死ぬで、わたしは世界を手に入れたから
満足だと思っていた。



呼吸していた、
心の底から、

深く、深く、
呼吸していた。

あれは何歳の頃だったろう、
21歳の頃だったかな

それくらいから心の成長って止まるものだね、
いや、
止まるというか、
そこらへんを境に
忘れていくんだ、
いろんなこと
好きだった花の名前とか
好きだった映画のセリフとか
息が止まるくらい人を好きになった感情とか


忘れていってしまう
忘れたくないのに



あの一乗寺公園の夜だって、
いつか忘れてしまうのかな
それが怖いよ

100%の感情で生きていた夜を
わたしは失くしてしまうのかな



ねえ


寂しくなるからおやすみと言って


おやすみ、
またね。

われに五月を

寺山修司の詩の世界に魅せられたのは大学生の時だった、
どこでどう出会ったかは忘れてしまったけれど、本から知っていったので、
おそらくたまたま彼の詩集を見つけて購入したのだと思う。
その時に出会うことができて本当に良かった。

彼は恋について詩を書いた
愛について詩を書いた
淡々とした調子の中に
寂しさとドキドキが混ざっていて、
彼の詩に触れると
わたしの中にある扉が開いて
もう感情が次々に溢れ出して
止まらないような
そんな感覚になった。

大好きなフレーズはメモに綴って
何度も何度も読み返しては
彼の詩の世界に恋をしている気分になった。

わたしは彼のもつ孤独な世界に魅力を感じる、
きっとそれはわたしも持っていて、
誰にも近づけないんだとおもう。
だれにも近付かせたくないんだとおもう。

でも人が嫌いというわけではないんだ、
ただただ
空想の世界の入り口で
いろんなものを客観的に見て
空間を眺めながら
いろんなことを考えたい、
そのためには一人にならなきゃいけないから
だからそういう孤独が好き

彼もそうだったのかな、とふと思う。
詩を使ってその世界があることをわたしたちに教えてくれている、
隠れた秘密の暗号みたいに。
そこには、
同じ世界を構築している人には感じ取れる、
熱のようなものがある。

ああ、夜中に書き出したから眠くなってきてしまった。
また後日書くよ、きっとね。

おやすみなさい。

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