2014/6/17 Tue 23:51
やさしいキスをして

話題:突発的文章・物語・詩
学園の話の美玖と相留。
幼馴染で相留の片思い状態な時の話。
別にキスはしないんですけどね・・・。
以下本文




貴女のそばにいられたらそれだけでいい。
俺は貴女の為に生きたいんだ。
ただ、やさしく笑って、隣にいさせて・・・


*やさしいキスをして


今日は雪が降っている。
貴女はちゃんと家に帰れただろうか?
本当は俺も学校に行って、貴女のそばにいたかったのだけど。
ジーンズのポケットが振動した。
メールだ。

『寒い』

たった2文字。
貴女からの言葉。
俺にとってそれだけで十分だ。
全てを投げ出すのに。

「美玖!!」

走って、息も切れ切れで、俺はいつもの窓の前で呼んだ。
貴女の名前。

「あい、どめぇ・・・」

弱々しい声とともに窓が開けられた。
毛布を肩から被った貴女が出てきた。
俺は貴女を抱きしめる。
雪の中を走った俺よりも貴女の方が冷たい。

「今日親いなくて、暖房点け方わからない」
「・・・なるほど」

少し安堵した。
そういえば家の明かりも貴女の部屋しかついていない。
貴女は病院生活が長かったから。
家の中に入り、貴女の部屋に上がる。
美玖の家は古い日本家屋でエアコンというものが限られた部屋にしか無い。
違う部屋から石油ストーブを持ってきて貴女の部屋で点けた。
上にヤカンやスルメなんかを置けるようなタイプのストーブだ。

「暖かくなった?」
「少し」

ストーブの前、二人並んで会話した。
そういえばこんなゆっくり話したのはいつぶりだろう。

「背中が寒い」

そんな事言い出すから、俺は貴女を後ろから抱きしめるように座り直していた。
貴女を間近に感じる。
体重を俺に預けているのがわかった。

「ねぇ、美玖。・・・美玖?」

眠ってしまっているようだった。
俺は幸せを感じる。
いつまでもこうしていられれば。
貴女が俺だけのものにならなくても、今だけは俺のもの。
このまま明日など来なければいいのに。
俺は貴女の髪にキスをした。



おわり
***
がうはあまり音楽とか聞かない人なんだけど、
突発的にCD借りたりすることもあるわけで。
最近中島美嘉のカバーアルバム?借りて「やさしいキスをして」
聞いてこれはこの2人で書かねば!!と使命感にかられた笑
ということで、この小ネタ読むときはBGMに「やさしいキスをして」をお勧めします。
えぇ、季節はずれですが・・・。




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