止まる夕陽に指を重ねて



久しぶりの嫌なことがあった

自分の身を守らなければ
私を大切に思う人が悲しまないように
自分を手のかかる高級品だとでも思って

なんでなんだろう
なんで私はこう、子どもの頃から、変質者に遭うんだろう
なんであいつらは、私から、女たちから、なにもかもを奪おうとするんだろう

恐怖、がまずある
でも、激しい怒りも、今はある
自衛自衛って、やれることには限界がある
単純に欲望をコントロールできない男が悪いのに、なんで日本は、女にばかりあれやこれやと口うるさく注文をつけるのかな

娘ができたらすごく心配で過保護になりそうだ…
絶対に自分のように電車通勤はさせない
男に泣かされる女じゃなくて、男を泣かせる女に仕上げよう

とりあえず毒を以て毒を制すじゃないけど
男の先輩に護衛を頼んだ
こんな田舎も3月でおさらばだ
立つ鳥に跡を濁させないでね、愛すべき赴任地よ

秋はもういなくなって、冬が深まっていく
夕焼けがどんどん短く暗くなっていく
窮屈で気が張り積める
でも私は、私を大切に思う人のために
私が大切な人のために
私を守らなければ