メンテナンス
長い長い間 ふかふかの土の中で
ぬるま湯のような心地よさに包まれて
お日さまの世界を夢見ていた。
お母さんは言った。
「あなたはたったひとりのかけがえのない宝物」
その言葉がわたしをあたためた。
やっとで出てきたわたしは
あたたかな光に歓迎される間も無く
冷たいマシンのように使われた。
いつも見知らぬだれかにおびえて
大きな何かに抗う術を知らず
いつもひとりぼっちだった。
真っ暗闇がにやりと笑った。
「君の代わりはいくらでもいる」
わたしは落ちていった。
がらりがらりと壊れていった。
06/20 10:04
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-エムブロ-