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ふくからに

 
文屋康秀の歌。これも百人一首に入ってます。決まり字は「ふ」上の句で「ふ」と読まれたら即、むべ山風です。
 
吹くからに 秋の草木の しをるれば
むべ山風を 嵐といふらむ

 
この歌は漢字の構成とその意味を表す少し変わった、面白い歌です。
「山」を「風」の上に持って来ると「嵐」という文字になります。
嵐は吹き荒びすさび草木を荒し萎れさせる。
「しをるれば」は「萎れる」で「嵐」は「荒し」の掛詞。
 
山から風が吹くと忽ち秋の草木が散ってしまう。
なるほど、だから山からの風を嵐と書き、荒しと言うのか。

 
漢字の構成が面白いなー、って詠った歌です。

ゆらのとを

 
曾禰好忠が詠った恋の歌。由良の門は兵庫と和歌山の間にある紀淡海峡。百人一首にも出てくる歌で、確か決まり字は「ゆ」だったはず。この歌は結構分かり易い。
 
由良の門を 渡る舟人 梶を絶え
行方も知らぬ 恋のみちかな

 
「梶を絶え」は「舵を絶え」つまりまあ、櫂(オール)を流しちゃったって事。
 
由良川を渡る船頭が櫂を失くして行く先も分からず漂っていく様に
私の恋路も行く末が分からない。

 
前半は例え話で後半が恋について。なんで態々由良川なのかは船がゆらゆら舵を失って漂う様子が想像し易い様に、みたいです。
気の利く事ですね。…え、違う?風情?管理人には理解デキマセン。

このたびは

 
菅家の歌。百人一首にも入ってる歌で、管理人は音の並びが好きで結構気に入ってたりする。
 
このたびは 幣も取りあへず 手向山
紅葉の錦 神のまにまに

 
「まにまに」は「間に間に」、自分から働きかけず相手のするままに任せてそれに従う事。今回は、御心のままにして下さいって事ですね。
漢字で書くと、「随意」、「随に」、「任に」何れも意味からきてますね。
因みに、神の御心のままである事を「かんながら」って言うんですよね。漢字で書くと「惟神」、「随神」
いや、単に「御心のままに」から思い出したのと、惟盛の「惟」っていう字が入ってるから書きたかっただけ。
 
今度の旅は急だったのでお供えの幣を用意する事ができなかった。
手向山の美しい紅葉をお供えします。御心のままにお受け取りください。

 
紅葉の綺麗な様子が想像できる所も気に入ってる要因。
パッとお供えに綺麗な紅葉を〜なんて考えるあたり、昔の人って風情があるなぁって思う。
 
関係無いけど、紅葉って晴れた日に見るのも綺麗だけど、個人的には雨の後とかおススメ。
雨が降って気温が下がって、薄っすら霧で白く霞んでる紅葉。霧の中で見る鮮やかな赤はどこか神秘的で素敵なのですよ。
個人的ベストは、川の傍、やや低い位置から斜め上辺りの紅葉を多少距離置いて眺める。
一昨年の仕事中に偶々見つけたんですよね。今でも記憶に残ってるくらいなんですよ。
…くそう、カメラ持って行っとけば良かった!仕事中だから無理な話だけど!

なにわがた

 
伊勢の歌。別れ話をされた時に歌ったもの。
 
難波潟 みじかき芦の ふしの間も 逢はでこの世を すぐしてよとや
 
すぐしてよ、は過ごしてよ。逢はで、は逢わず。逢わないで過ごしてよ。そう仰るのですか、とね。
 
難波潟の芦の節と節の間の短さの様に、ほんの短い間でも逢いたいのにあなたは逢わずに、一生を過ごせと言うのでしょうか。
 
うん。これ、連載で使ってみたいな。別れ話にではないけど。
とても上手くできた歌だし、使わせてみたいな。

しらつゆに

 
文屋朝康の歌。百人一首にも入ってます。
 
白露に 風の吹きしく 秋の野は
つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける

 
白露がまるで真珠の様だと例えてるんですよね。少し情景を想像してみるととても綺麗。
 
草の葉の上に乗っている露の玉に風がしきりに吹きつける秋の野原はまるで紐に通して留めていない真珠が散り乱れて吹き飛んでいる様だ。
歌そのものも、想像される風景も綺麗ですね。
管理人は想像しやすくてこの歌好き。
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