逢魔時奇譚【30話(36)】
最上階、元帥の間ーーーーー
「れいなよ。よくやったのぅ。お前のお陰で神堂が目を覚ました」
「さっすがだねれいな様☆」
「本来なら神堂の事を任されたあたしの役割だったんだけどなぁ、あたしじゃあ無理だった。サンキュ〜お嬢☆やっぱりお嬢はすごいなぁ〜」
「ありがとうございます!お祖父様!横田隊長!邑楽隊長!」
「今後も神堂の監視を頼むぞ」
「承知致しましたわ!」
褒められ嬉しくて、満面の笑みで敬礼をするれいなだった。

廊下ーーーーー
カツン、コツン…今はまだトーナメント中な為、いつもエクソシスト達が行き交う本部内も今日は静かだ。れいな1人分の足音が響く。
「♪」
ーー試合ではダメダメでしたけれど!聖弥の処分危機を救いましたわ!これは試合に勝利を収めるよりも高い功績ではありません事!?お祖父様も喜んでくださいました。何より、聖弥がわたくしの声掛けで目覚めた事がとても嬉しいですわ!わたくしを何度も助けてくださった聖弥に恩返しをする番ですの!これからも聖弥を助けていきましてよ!れいな、ファイト!ですわ!ーー
「れいな」
「はひぃっ?!聖弥!?」
ビクゥッ!!1人だと思っていた廊下。背後から音も無く現れた聖弥に挙動不審に驚いてしまった。
「ビビり過ぎだろ」
「貴方が突然現れたからでしてよ!?…あ。聖弥その…ごめんなさい…。わたくしのせいで敗戦してしまい…。お祖父様からお聞きしましたわ…部隊対抗トーナメント戦の勝敗は隊長達の評価に大きく関わると…。貴方は奮闘し、わたくしを庇ってくださったというのに、わたくしのせいで敗戦してしまい…」
「あ?ンなのもう過ぎた事だし」
「けれど…」
聖弥はれいなから目線を反らす。
「そんな事どーでもイーんだよ。それじゃなくて。あのさ。さっきの話なんだけど」
「さっきの話…とは?」
「だから…」
「おー疲れー神堂隊のおー2ーりさーん」
「!」
「…?」
男性の甲高い声がして、2人は顔を上げた。