逢魔時奇譚【30話(22)】
「せ、聖弥…!そんなっ…!今迄あのようになった事などありませんでしたのに…!」
「サタンの力に飲み込まれてんじゃねーよアホ兄貴…!」
動揺を隠せず顔面蒼白の天音、れいな。しかし横田、春日、青野の隊長勢はまるで他人事のように平然としているから、れいなはあたふた。
「う〜ん。こりゃあまずいなぁ。このままだと神堂はサタンの力に飲み込まれて悪魔になっちゃうかも?古来からお姫様の目を覚まさせるのは王子様って相場は決まっているけど、ここは逆転の発想でお姫様が王子様を目覚めさせてあげよう!って〜事で、れいな様。神堂がサタンの力に負けないように応援してあげよっか☆」
「は、はい!?」
「ホラホラ早くしないと大変な事になっちゃうよ〜ん?」
「横田隊長!今はそのようなおふざけを仰っている時ではありませんのよ!?」
「いえ。れいな様からの声援以外、神堂を目覚めさせる方法はございませんよ」
「か、春日隊長まで!?」
「そうだね。れいな様。せーのっで神堂に声援を送ってあげましょう」
「青野隊長まで!?皆様どうなさったのですか!?そのような声援だけで聖弥が目覚めるなど有り得ませんわ!早急にお祖父様に助けて頂かなくては、」
「大人シク、ブッ殺サレロッツッテンダロ!!」
「…!」
「お〜?」
フィールドから聞こえてきたのは、サタンの力の影響でノイズがかった聖弥の物騒な声。振り向く顔面蒼白のれいなとは対照的にやはり横田は飄々とした様子でフィールドを眺める。れいなは、観客席の柵にガシャン!と身を乗り出してフィールドを見下ろす。