逢魔時奇譚【14話(14)】
電話の向こうの奏にも聞こえるくらい、扉の外を叩く激しい音。奏は目を見開き焦るのに、当の本人の天音は笑っていて余裕。ドン!!ドンドン!
「なぁ。アタシらしくねぇ事言っても良いか?」
「…そういう話…後にして…!本当に…開けたら…ダメだから…!…駄目…!絶対…!開けないで…!」
「待ってるよ、眼帯」

一方の奏。スタジオの外には既に悪魔に乗っ取られ姿がワニ化した和夫から逃げ出していたHRE26メンバーやスタッフ等…、明らかに天音以外全員が逃げ出していた。周囲には赤色灯を回しているパトカー5台と警察官と野次馬。
「中に人は!?」
「メンバーの1人神堂由輝がまだ…!」
警察官とスタッフのやり取りが聞こえて、奏は歯をギリッ…!と噛み締めた。「っ…!!」
ーー…自分達ばっかり…真っ先に逃げて…どうして…誰も助けに行こうと…しないんだ…!ーー
「…!君は!?」
傘をさした警察官達とメンバーやスタッフの間に、奏が着地。下を向いたまま奏が、keep outの黄色い線が張られた先を進もうとしたが、「何をやっているんだね君は!」案の定、警察官に腕を掴まれた。それでも下を向いたままの奏の髪から滴る雨水。
「早く下がりなさい!HRE26のファンの子か何だか知らないが、此処は君のような子供が入ってきて良い場所じゃないんだ!早く下がり、」
「…あっ!君、この前うちらを悪魔から助けに来てくれたエクソシスト君じゃん!」
「なっ…!?」
「…!」
HRE26メンバー美香の一言で奏も驚くし、警察官や野次馬やスタッフや他メンバーも驚き、一気に騒がしくなる。
「え?あの小さな子供がエクソシスト!?」
「まさかぁ…」