逢魔時奇譚【14話(12)】
同時刻、スタジオ控室ーーーー
スムーズに撮影が進み、通常より2時間も早く終わった撮影。他メンバーが隣の控室で、彼氏の愚痴やら何やら話しながら帰り支度をしている声が聞こえる。天音はいつも通り1人の控室で、かれこれ1時間前から奏にメールを送っている。パイプ椅子に体育座りをして、今もまたメールを送り、スマホをいじりながら口を尖らせていた。♪〜♪〜♪
「うおぉおう?!」
スマホから大音量で着信音が鳴った為、椅子から引っくり返りそうになる程驚いた天音。
「な、何だよっ眼帯っ」
「遅い…!」
「あァ!?うるせぇ!!だっ、大体てめぇがいきなり電話かけてくるのが悪りぃんだろーが!!でっ、電話だと緊張するじゃねぇか…って!!別に眼帯てめぇに緊張してるって意味じゃ、」
「…早く…スタジオに居る…人達と一緒に…外へ…逃げて…」
「あ?どういうこった、そりゃ?」
「アンタを狙った悪魔が…そっちに向かったんだ…!!」
「アタシを?何で、」
コンコン、
「お?誰か来たな」
「…!!」
電話越しでも奏に聞こえた。控室をノックする音が。だから、電話の向こうで通話しながら屋根伝いに跳んでスタジオを目指して飛んでいる奏が顔面蒼白になる。一方の天音は、奏の気も知らずに暢気にスマホで通話をしたまま扉へと歩き出す。
「この来訪者が、お前の言ってる悪魔ってか?」
「…出ないで…!絶対に…!」
「バーカ。アタシはエクソシストだぜ?敵前逃亡なんてしてられっかっての。アタシを狙った悪魔なら尚更な」