逢魔時奇譚【14話(3)】
『まあ!お前は父さんと母さんの仇だし!?悪魔憑きだし!?アタシが最後はお前を今度こそぶっ殺すし!?だからお前にはアタシへの償いしてもらわねぇと困るし!?』
照れ隠しの天音の発言…ではあったが、昨夜の天音の発言を思い出した途端奏は下を向き、悲しい瞳に変わる。
「…アンタが…祓魔…できなくても…元帥…達が…僕の中の…アドラメレク…を…祓魔…できるようになったら…。いつ…祓魔…されるの…かな…。元帥達は…いつまで僕を…生かして…くれるの…かな…。祓魔…されたら…次こそ…僕は…死ぬ…。…変…だな…。お父さんと…お母さん…が…殺されて…哀しくて…悪魔に憑かれて…。早く…僕も…死んじゃいたい…って…ずっと思ってた…。アンタの…両親の仇…だから…僕とアンタ…は…出逢った…のに…。だから…横田さんと…綾小路さんと…出逢った…。天人とも…再会できた…。今の…状態が…アドラメレクが…憑いてる…この状態…が…ずっと続けば良いのに…な…って…思ってる…。変…だな…、今は…まだ…死にたくない…って…毎日思うんだ…。変…だな…」
「やあ!」
「…?」
足音がして陽気な声がして。顔を上げる。由輝の顔写真がでかでかプリントされたシャツを着て、リュックには由輝の缶バッジにキーホルダーがジャラジャラついた和夫が、にこやかに声を掛けてきた。
ーー…うわっ…。昨日…握手会に居た…握手券20枚…ーー
何故か変な対抗心を抱く奏。
「チミ、昨日ゆきにゃんの握手会でぼくの前に居た子だよねぇ?!」
「…はい…」
「今から時間あるかなぁ?良ければ一緒に、ゆきにゃんを語り合おうよ!悲しいながら、ホラ。ゆきにゃんファンはあまり居ないじゃないかい?だからぼくは、君のように握手券を11枚買う猛者と語り合いたいとずっと夢を描いていたんだ。ぼくと語り合ってくれたら、HRE26デビュー当時にだけ唯一発売したゆきにゃん写真集(現在はオークションにも出回っていない超レア物)をプレゼントしてあげるよ〜!」
「……」