逢魔時奇譚【14話(2)】
そんな仲睦まじい2人の後ろ姿を人混みに紛れながら睨みつける据わった瞳の和夫が居た。
「あいつら許さないぞぉ…!ぼくが裁いてやる…!あいつらはぼくに裁かれる運命なんだぁああ!!」
 
ハラエスタジオーーーーーー
「うっし。サンキュな」
ハラエスタジオの横にある小路で、天音から由輝に変身する。
「…あ"。けどお前、アタシの撮影終わるまで何処で時間潰すよ?逢魔時町に行って帰ってじゃあキツいよな?しまったー!アタシ、自分の事ばっかり考えてお前の事何も考えてなかったぜ」
「……」
「サイテーだ〜…」
自分の頭を抱える天音。
「…別に…良いよ…」
「いや。良くねーし。アタシ、お前を完全にパシりにしてるだろ。いくらお前がアタシの仇だからって、これは良くねーよ。撮影も最低8時間はかかるって言ってたな、そういや…。やっぱ送りだけで充分だわ!お前、先帰ってろって。帰りはタクシー拾って帰るし」
「…街…散策して…何時間でも…待つ…から…帰り…一緒…に…帰ろう…」
天音はスッ…、と左手を差し出した。由輝の姿なのだが、由輝では有り得ない頬をピンクに染めたツンツンした態度で。
「じゃあよ!帰りも!ストーカーに尾行されねぇよう、手!繋ぎやがれコンチクショウ!!てめぇの握手は何回でも何時間でもタダなんだろ!?」
「…うん…。そう…だよ…。…撮影…頑張って…」