逢魔時奇譚【10話(8)】
女性は天人の母親で尼子寺の女住職。名は【尼子 伊万里】(あまこ いまり)51歳。
「奏!何故貴方が此処に居るのですか!?」
奏を捉えた瞬間、伊万里は目を見開いてたちまち鬼の形相へ変貌。だから、理由を知らないエクソシスト達はキョトン…とする。が、理由を知る天人は慌てて奏の前に立つ。隠すように。
「もうこの家には帰ってくるなとあれ程言ったでしょう!!」
「まぁまぁ!母さん聞いてよ!かなな、祓のエクソシストになったんだぜ!?それで俺らの京都を助けに来てくれたスーパーヒーロー!だから、」
「天人に近寄るのもやめなさいと言った筈です!!貴方のせいで、大事な跡継ぎの天人が!」
「母さん。お客さんの前で喧嘩は恥ずいからさ。やめよ?」

本堂ーーーーーー
「うえぇ…でっけぇ大仏…。夜とか怖ぇな…。つーか寺入る手前に墓地あったじゃん。幽霊出そう…」
「ん?出るよ〜ん☆」
「軽く言うんじゃねぇ!!」
「あっはっは!まさか君怖がりサン?大丈〜夫!天人クンが添い寝して、幽霊を祓ってあげるから💓」
バチッ?とウインクをする天人に天音はゾワァ〜…っと身震いがした。
「キメェ!!」
「照れ隠し〜?キャワイイ〜☆」
「違げぇよテンジン!!」
「テンジンって誰!?」
「だってお前の名前天人(テンジン)って読むんじゃねぇのかよ?」
「あ!ま!と!まあ確かに珍しい名前だから間違えてテンジンって読んじゃうのも仕方ないけど〜」
「じゃあテンジンな!」
「あまと!だよ〜!」
ガタッ!
「かな?」
立ち上がると奏は俯いたまま、天人を払い除けて本堂を出て行く。
「かな!?おい!かな!?」
ピシャン!!木製の戸を閉めると、広い寺内の廊下をパタパタと1人で走り去ってしまった。だから、ポカン…としている天音。