タイトルなし

逢魔時奇譚【15話(13)】
ハンソンが車を運転して戻ってきた。
「聖弥は遥々イギリスまで一体どのような任務でやって来ましたの?」
「あ?ンなのてめぇには関係無ぇだ、」
「ああ!それならですね!」
全く悪気の無いハンソンが話に入りー…、

車内ーーーーーー
「何でこうなるんだよ!!」
ハンソンから任務内容を聞かされたれいなが案の定同乗。運転席にハンソン。助手席に聖弥。2列目にれいな。3列目に奏、天音、天人。
「ハッハッハ!人員は少ないより多い方が、楽しいじゃないか!」
「旅行じゃないんスよ!?」
「女神パナケイアの教会までは片道1時間は楽にかかるから、ミュージックでも聞こう!ドライブにはUKロックが最適さ!」
「だからドライブって何なんで、」
?〜!♪〜〜!♪〜〜!
「っ〜〜!うぜぇ…!!」
お構い無しに大音量でUKロックを流すハンソンは、ウキウキ体を動かしながら運転をする。
「…はぁ。ったく。れいなが居たらやり辛ぇ事もこの上無ぇ。予定変更になるだろーが…」
「……?」
聖弥がボソッ…と呟いた意味深な言葉は、大音量のロックミュージックで奏以外には聞こえていなかった。

教会ーーーーーー
今にも外れてしまいそうな木製の扉が、幽霊屋敷のような音をたてて軋みながら開く。
「ヒィエッ!?」
ガターーン!
「?」
突然尻餅を着いたハンソン。ガクガク震えて真っ青な顔をしたまま腰が抜けてしまい立ち上がれず、床に座り込むハンソンを聖弥とれいなが笑う。
「何やってるんスか」
「支部長どうなさいましたの?そのような臆病風貌では、貴方の勇姿をお祖父様へご報告できなくなってしまうではありませんか」 
「…だ、う…、上…だ…!」
「上?」
ハンソンの視線の先。指差す先。"上"というワード。聖弥達5人は彼の視線の先を見る為、後ろを振り向き見上げた。

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逢魔時奇譚【15話(12)】
「チチチチ!!」
「あだだーーーッ?!!」
少女は再び小鳥の大群を繰り出すと、白鳩の群れは天人に群がり突き出す。まるで蜂の巣状態な天人。一方の少女は肩をわなわな震わせる。
「誰がっ…、お嬢ちゃんですの…!?誰が…エクソシストごっこですの…!?わたくしは…」
バッ!と顔を上げた少女は顔を真っ赤にしてお怒り。奏と天人を睨みつける大て声で叫んだ。
「わたくしは射手園れいな19歳!中級エクソシストにして、お祖父様…そう!射手園田子之司郎元帥の孫娘ですの!!下級エクソシストの分際で身分を弁えなさい!このっ無礼者!!」
「でえええ!?年上ーー!?しかも元帥の孫ーー!?」
「何故わたくしはいつも!いつも!年下に見られますのー!?うぅっ!ぐすっ!」
「寧ろ何でお前は関係無い俺を叩きやがるんだよ!?」
ポコポコ!泣きながら聖弥を叩くこの童顔で低身長で小学生にも見えるこの少女は、元帥の孫娘。イギリス留学中の為、祓イギリス支部所属の中級エクソシスト。【射手園 れいな】(いてぞの れいな)19歳。聖弥の同期な為、彼とは親しい間柄なのだ。

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逢魔時奇譚【15話(11)】
そんな強烈な少女を前にポカン…としていた奏と天人に気付いた少女は2人を見る…というより身長は遥かに少女の方が低いのだが、見下す…ような雰囲気で2人を見上げる。
「貴方達ですわね。椎名奏。16歳。左目には9年前聖弥のご両親が封印をしたアドラメレクが憑いている所謂悪魔憑きの、特例エクソシスト。どうして貴方のような化物が許可されたのでしょう?!尼子天人。18歳。寺の跡継ぎという事もあってか、霊感が有り軽度の祓いなら可能。その能力を認められエクソシストになる。けれどいかにもな間抜け面ですわね!どうして貴方のような平和呆けが許可されたのでしょう?!」
ツンツンしている少女に、天人は「たはは〜…」と苦笑いを浮かべつつ話しかける。目線を合わせる為に屈んで。
「お嬢ちゃん俺とかなの事よく知ってるね〜神堂隊長から聞いたのかなぁ?悪いけどお兄さん達今からエクソシストの任務があるから。帰ってきたらエクソシストごっこを一緒にしてあげるからねっ?」
しん…沈黙が起きる。聖弥も少女も沈黙。天音は顔面蒼白になりあわあわするから、奏が密かに尋ねる。
「…あの子…知ってる…の…?」
「知ってるも何も…!あぁ〜やばいやばい!テンジン、マジでやべぇよ」
「…?何で…、」

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逢魔時奇譚【15話(10)】
其処には長い銀髪でとても小柄な(天音より低身長)少女が腰に両手をあてて、ぷんぷんお怒りの様子で、聖弥を見上げていた。ビシッ!と、少女は聖弥を見上げながら指差す。
「せっかくイギリスへ来たのですから、一番に立ち寄る場所は支部ではなく、このわたくしの元ではありませんこと?!」
「ふざけ、」
「それに!イギリスへ来るなら来ると事前にわたくしへ連絡をお入れなさい!」
「誰が連絡なんざ、」
「何の任務ですの?わたくしの元へ情報は届いておりませんが」
スマホをスイスイとタッチしながら捲し立てる少女。あの横暴な聖弥でさえ、話し終える前に話を割って入られる。尚且つ怒ろうとせず「っはぁ〜…」と深い溜め息を吐いて頭を掻き、腰に手をあてて呆れて物も言えない状態。

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逢魔時奇譚【15話(9)】
「だああ!邪魔くせぇ!!」
聖弥はバトルスーツへ変身すると巨大十字架を繰り出し、大きく振った。
「チチ…、チチチ、チ…チ」
するとたちまち小鳥達はただの白い光となって消えてしまった。小鳥達を処理し終えて聖弥は変身を解く。
「ふぅ…」
「聖弥っ!?」
「う"っ…」
背後からしたいかにも高飛車な声に、渋々聖弥が振り向くと。
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