タイトルなし

逢魔時奇譚【14話(10)】
「ぎゃあっ!」
ラバの尻尾で軽く払い除けただけで吹き飛ばされる和夫。
ーー…!今まで戦ってきた…悪魔より…弱い…!僕1人で…、いける…!ーー
手応えを感じた奏の表情が明るくなる。しかし…ワニの姿と化した和夫の背からドラゴンの翼が現れると、和夫は空へと浮き上がり出した。
「あぁあー…。やっぱりアドラメレク様ガ宿っている人間は強いなぁ?ならやぁめた。勝ち戦しかしない主義だからねぇ。チミを殺るのは一先ず諦めるよぉ。先にゆきにゃんを殺しに行こおぉお!!」
「…!!」
真っ赤な目を光らせ、翼でバサバサと空に浮かびながら口が裂けそうな程笑った和夫に、奏の目が見開いた。
「やめろ!!」
「か、和夫!?和夫なのかい…!?」
「…ハッ!」
すると、騒ぎを聞きつけて和夫の母がやって来た。振り向く奏。

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逢魔時奇譚【14話(9)】
「ああああー…許さないぞぉ…許さないぞぉ…エクソシストぉお…」
爆発で部屋が吹き飛び、屋根へ移動する奏と和夫。目を真っ赤にした和夫の姿が渦を巻いたワニの姿になり、ユラリ…と立っている。
「っ…!」
一方奏は、瞬時にバトルスーツへ変身。向かい合う2人。
ーー…僕…のせいだ…僕が…神堂さんと居たせいで…憎しみが沸いたこの人は…悪魔に憑かれたんだ…!ーー

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逢魔時奇譚【14話(8)】
「あぁああ〜〜あ〜〜んな淫乱女ゆきにゃん推しでいた事すらぼくの黒歴史だなぁ〜〜。次はどのメンを推そうかなぁあ〜?つかたんだ!つかたんこそ真の清純派アイドル!天使!そうに違いなぁい!ヒャヒャヒャヒャ!」
「僕はッ…!!」
「あぁ〜?」
首を締められたままだが、振り絞った大声で叫んだ奏を、嫌そうに顔を歪めながら見る和夫。
「うるせぇんだよぉ!黙っていろぉ!ぼくのゆきにゃんを盗った泥棒猫がぁあ!!」
「僕は…!!神堂さんの恋人じゃない…!!エクソシストで同じ隊のただの仲間…です…!!」
「嘘を吐くなぁあああ!!同じマンションから出てきただろうがあああ!!」
「あれ…、ゴホッ!はっ…!隊の…拠点…が…、一緒…なだけ…ですっ…!」
「嘘だ嘘だ嘘だあああああ!!毎日同じ部屋で、ぼくの知らないゆきにゃんを見ているんだろう!?死ね!死ね!お前なんか死ねぇえええ!!」
頭を抱えて喚く和夫。
「全部僕のせいです!!神堂さんの仇なのに!!神堂さんが優しくしてくれるから!!それに甘えて神堂さんに近付いた、全部僕のせいです!!僕は自分の気持ちを優先してまで神堂さんの夢を壊したくない!!だから神堂さんか僕と居る写真も!!神堂さんがエクソシストだって事も!!全部秘密にして下さい!!僕はもうエクソシストの任務以外で神堂さんとは関わらない!!話さない!!神堂さんを好きな気持ちは捨てる!!だから貴方は!!これからはちゃんと綺麗なお金を使って!!これからもずっと神堂由輝のファンでいて下さい!!」
「やかましいんだよぉおお!!ガキの分際でぼくに説教するんじゃねぇええ!!」
カッ!と和夫の両目が赤く光り、口から炎を吹いた。
「…ハッ!!」
ーー悪魔憑き…!?ーー
ドガァアン!!屋根を突き破って2階の和夫の部屋から火柱が上がった。

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逢魔時奇譚【14話(7)】
和夫が左手から撒き散らした物は、由輝の姿で奏と下校している写真や、今日マンションを出てからスタジオへ行くまでの道中、天音の姿で奏と歩いたり、手を繋いでいる写真…30枚は軽くある。それを前にして、首を締められたまま目を見開いて唖然の奏と、ニタァ…と不気味な笑みを浮かべる和夫。
「グフッ。グフフフ!驚いているねぇ!?どぉして、金髪の別人に変身した姿もゆきにゃんだ、ってぼくが分かるのかぁって顔だぁ!!それはねぇ〜?昨日ぼく宛に知らない人からDMが送られてきたんだぁ〜」
「…!?」
「まずはぁ〜チミと由輝にゃんが下校してるクソムカつく写真でしょぉ〜。それからはぁ〜PC壊しちゃったから、スマホのぼく宛にぃ〜ゆきにゃんの本名は!神堂天音!祓のエクソシスト!住まいは逢魔時町マンション4階427号室!ゆきにゃんの姿はエクソシストの変身装置で変身した姿!本当の姿は金髪ツインテールの方!…って事までたぁくさん情報提供してくれた知らない人が居るんだよねぇえ??」
狂喜に歪んだ目を顔を近付けてくる和夫に、奏は顔を歪めながらも、決して目を逸らさず、歯を食い縛り睨み付ける。
「ああ。そうだそうだぁ〜あともう1つ」
スッ…、和夫は奏を指差す。あと少しで奏の右目を突くくらいスレスレまで指先を近付けて。
「チミは悪魔に取り憑かれた化物エクソシストォでぇ!ゆきにゃんの両親を殺したクセにぃ!反省の色も無くぅ!ゆきにゃんにのうのうと近付く馬鹿で哀れなファン!」
「っ…!!」
歯を食い縛り、何か言いたそうにするが図星といった様子でもある奏を和夫はまた、ニタァ…とほくそ笑む。
「ファン獲得の為にぃ、親の仇にも平気で股を開くような下劣で!淫乱で!売女で!魔女な!ゆきにゃんなんて、こうしてやったんだぁ?」
引き出しの中から床へ溢れ出した物は、HRE26の割られた大量のCD。ビリビリに引き裂かれた由輝のポスター、サイン色紙、シャツ、雑誌、写真集、ブロマイド。由輝の壊されたBlu-rayディスク。キーホルダーにフィギュアに抱き枕に…全て無惨に壊された由輝のグッズ。
「アーハハハハハ!!残念でしたぁああ??清純派アイドルを謳っておきながらこぉんなに熱心な古参ファンのぼくを裏切ってぇ!チミみたいなぁ新参ファンとイチャイチャするから悪いんだぁあ!そうだぁあ!全部ぜんぶゼンブぜぇえええんぶ、彼ぴっぴのぼくを裏切ったゆきにゃんが悪いんだあぁああ!!」
『HRE26の神堂由輝はさ総選挙万年ビリケツの不人気アイドルだから、握手会の列もガラッガラなワケよ。だから、来てくれたファン1人1人に、応援してくれた恩返しは欠かさねぇのが神堂由輝っつー不人気アイドルのモットーなワケ』
「っ…!」
奏の脳裏で、以前天音が話してくれた言葉が過ぎった。下を向いたまま奏は歯をギリッ…!と鳴らす。

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逢魔時奇譚【14話(6)】
ドガッ!
「ゲホッ…!!」
振り向き様に奏の腹を蹴飛ばした和夫。
「ガハッ…!!はぁ"…、はぁ"…!」
ーー呼吸が…うまくできない…!エクソシストでもない…人間なのに…、悪魔…並の威力…、ーー
「がはッ!!」
上に伸し掛かられ、右手で首を締められる。
「っ…、ぐっ…、」
「お前みたいなヒョロい新規ファンのガキと、こぉんなに親密になって、恋愛禁止を信じるぼく達ファンを騙しているゆきにゃんのどぉこが正義感の塊で!真面目な!アイドルなんだよぉおお!?」
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