タイトルなし

逢魔時奇譚【6話(7)】
「ほいじゃあ今度こそ行くか!エクソシストかなやんの初任務、成功させよ〜ぜ!ていうか成功するけどね〜」
まだバトルスーツもシューズも無いから、奏は横田の背におぶられながら移動をする事になる。横田は身を屈めて自分の背を突き出す。
「ホレホレ〜!かなやんおんぶだぞ〜!隊長をパパだと思って良いんだぞぉ〜!?」
「…うわぁ…」
「かなやん今、俺をチョー軽蔑した顔で見てたでしょ?!見なくても分かる!かなやんの声だけで分かるもんねっ!!」
「悪魔とバトりに行くのか?」
「あまねんは其処でイイコに待ってるんだぞ?かなやんの初任務だからな!あまねんもついて来ちゃうと、かなやんの戦果をあまねんが横取りしかねないからなぁ〜?」
「そうかっ」
ーー本当は、あまねんは今サキュバスの呪いでとても戦える状態じゃないからお留守番なんだけど。あまねん自身、自分が呪いにかかっているって気付けていないからなぁ〜ーー
「じゃっ!あまねん、いってくるよ〜ん」
「眼帯!頑張れよっ!」
白い歯を覗かせて頬を赤らめて満面の笑みで応援してくれる天音のこの笑顔は、サキュバスの呪いで乙女化しているからなのだろう。奏は恥ずかしそうにパッ!とすぐ下を向いて、天音に背を向けた。
「…ありがとうっ…」
下を向いている奏だが、顔から耳まで真っ赤に染めていた。そんな奏に横田は気づかれないよう微笑ましそうに微笑すると、気付いていない事にしてあげるのだった。

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逢魔時奇譚【6話(6)】
「…やっぱり…悪魔に憑かれて…いるんですか…?えっと…」
「まりりんなっ!」
「…それ以外の呼び方…教えて下さい…」「まりりんは、まりりんだろ〜」
「……。じゃあ…その…。まっ…、まり…、ま…、……。まりりんさん…は…」
「ワハハハハ〜!かなやんが!あのクソ真面目かなやんが!まりりん、って呼んだ!!しかも、まりりんさん、って!ワハハハハ!かなやんお前真面目過ぎは禿げやすいから気を付けなさ〜い!ワハハハハ!」
奏を指差しながら涙を流してまで大爆笑してくる横田に、奏のイライラは最高潮に達する。
「おっと〜。長話になったな!急がないと悪魔を見失っちまう!」
悪魔探知機を見る横田。
「…っと!その前に最後!さっきの話で肝心な事を言い忘れてたな〜!」
「…?」
「かなやんも見たけど、あまねんの兄貴は実の妹を殺しても構わないって思ってるくらいタカビーな気狂いなワケよ。だから。あまねんを守ったり庇ったり、まりりんの処分を心配する優しいかなやんこそ、たとえ悪魔憑きだろうとエクソシストの器だな、って俺は思って、かなやんを引き受けたんだぜ〜?そんなかなやんへ隊長の俺から一生のお願いッ!」
パンッ!と合掌する横田。
「どうかあまねんをずっと守ってあげてくれよなっ!」
合掌しながら父親のような優しい笑顔を浮かべて懇願する横田が、どこか儚く見えた。奏はまた俯く。
「…それは…横田さんの仕事…じゃないんです…か…。…そもそも…神堂さんの…仇の僕に…頼むなんて…間違っています…。それに…そんなの…神堂さんだって…嫌な筈で…」

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逢魔時奇譚【6話(5)】
ガシッ!天音の左手を掴んで持ち上げた。
「が、眼帯?お前はこういうの嫌だったか…?」
「…悪魔は…横田さんが噴き飛ばしてくれた…から…。取り敢えず今は…横田さんと合流…しよう…」
「がっ、眼帯はっ!どういう格好したらアタシを見てくれるんだよチクショウ!!」
「……」
「お、おいっ!無視すんな悪魔憑きっ!」
「…だから…」
「あァ?!」
「…アイドル辞めたい…とか…そういう弱気でいると…悪魔に憑かれるって…言ったじゃん…」
「はぁ!?別にっ!アタシは悪魔になんて憑かれて無、」
「あまねん!かなやん!無事か!」
シュタッ!ステージ上へ跳んで着地した横田。横田の登場に、内心とても喜んでいる奏。だって、サキュバスの呪いがかかった天音とこれ以上2人きりで居るのは拷問以外の何ものでもないから。
「隊長ぉ〜!眼帯がっ…眼帯がっ!全然アタシに振り向いてくれないんだよぉっ…!!」
「?!!」
ギョッ!!横田も奏同様、目を見開く。だってこんな、恥じらい有る乙女全開で涙をボロボロ流す天音を見るのは初めてだから。
「俺の娘同然のあまねんを泣かせるな!かなやんんんん!!」
「違う!!」
クワッ!!と見開いた目と鬼の形相で奏を睨む横田に、さすがの奏もいつもより声を張り上げて反抗するのだった。

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逢魔時奇譚【6話(4)】
ドガン!!ドガン!!横田が振り回した2本の槍から放たれた紫色の光で、サキュバスは劇場の壁を突き破って外まで噴き飛ばされた。その光景をステージ上から、口を開けてただ眺めているだけしかできずにいた奏。
「すごい…。これが…エクソシスト…。これが…隊長クラスの力…」
「なぁ、眼帯っ」
「〜?!!」
横田の技に感心していたら、やはりまだサキュバスの呪いがかかった天音は頬を赤らめ、恥じらい有る乙女のキラッキラした瞳で奏を上目遣いで見ていた。
「ア、アタシも真凛みてぇに、あ、ああいう格好したら総選挙1位取れるのか?」
「〜〜!??」
「ち、因みにお前はっ!ああいうの好きか?な、ならアタシもっ」
ググっ!と突然、衣装の胸元を手で引っ張り出す天音。
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