十月に入ってから、私はほぼ毎日泣いている。何か悲しいことがあって泣いている訳ではない。私は一年の中でそんな風になる時期が何度かあるのだ。また来たよ、例のサイクルがね!(笑)
 毎度のことだけど「有難いな、私はラッキーだな」という感謝の気持ちに包まれて泣いたり、何気ない映画のワンシーンで感動して泣いたりする。寝起きに「ああ今日も無事目を覚ますことが出来たなあ」と泣いたり(笑)。日常におけるささいな瞬間に涙が出てしまうのである。この状態の自分は「感動屋」という生業なんだと思うことにした(笑)。
 心から感謝を感じることが出来るのは私が近年、ようやく駄目な自分を許し自分という人間を愛せ、目の前で起きていることを純粋に有難く思えるようになったからにほかならない。それは本当に奇跡のようなものだ。この世に生まれて長い間、自分自身を痛めつけて追い詰めてばかりいた私がやっと成熟したのかもわからない。とにかくこの三年ぐらいは様々な事柄に感激したり、悟ったことが多い。故に迷いはなくなった。
 多分、こうした状態は誰にでも起こりゆる事だろうが、泣きたくなるくらいの感情の昂りというのは魂が新たなステップへ向かうお知らせなんだろうと思う。その「感動屋」の頻度がこの三年でやたらと増えだしてしまっているようだ。
 私自身は身体が徐々に弱っていて、やがて来る死への準備を毎日少しずつしているけれど、気持ちの整理は終わりに向かい、あとは残りの時間を出来るだけ穏やかに過ごそうと務めている。

 「感動屋」はいつ泣き出すかわからない。さっき、YouTubeでTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTの解散ライブでラスト曲に演奏されたデビュー曲『世界の終わり』を観ていた。最後に悲しげな故アベフトシの映像に涙。もう何度観たかわからないほど観たはずなのに、アベフトシのことを考えると泣けて泣けてしょうがない。弦が切れても演奏を続け「解散なんかしたくないんだよ!」と言わんばかりの彼の無言の訴えを皆さんもご覧あれ。アベフトシという人は日本では高い評価を集めた伝説のギタリストでカッティングの凄さで有名で、既に他界している。酒癖が悪かったが私は大好きだった。

世界の終わり/THEE MICHELLE GUN ELEPHANT
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