三日間、何とかやれてるな(笑)。このまま飛ばしていきたいが体調はあまり良くないな。寒くなって頭は冴えているが手足が時々痛くて困っている。バセドウ病が悪化してるんだと思う。それでも焦らず、戸惑わずいこう。

 先月15日に樹木希林さんが亡くなられて一ヶ月が過ぎたが、未だに新聞各紙で彼女の評伝が掲載され続けている。手に入ったものだけでも十紙はある。筆者はコラムニストから日本を代表する企業の社長まで多岐にわたる。それだけ多くの人々に影響を与えたのだ。
 樹木希林さんの55年の女優生活の中で、いちばんインパクトがあったのは内田裕也さんとの再婚だろう。前夫の伝説の俳優故岸田森さんのことが全くと言っていいほど出てこないのも不思議ではあるが、人々の関心はいつも内田裕也さんとの奇妙な別居生活が中心だった。
 「ちょっと転んでね…」と顔にアザがある姿で生放送に出たことも数知れず…。明らかにご主人による暴力による怪我だったはず。DV被害にあう女性はきまって「転んだ」という。内田さんがかつて夢中になった当時の愛人の島田陽子さんとの攻防は最後まで毅然たる態度で闘ったし、内田さんが数々の事件を起こした時も樹木希林さんは強かった。そしてどんな時も内田さんを見捨てなかったのは心から愛していたのだと思う。どんなに裏切られてもである。その姿こそがロックンロールであり、パンク魂を感じたのは私だけではあるまい。
(昔は破天荒なスターが多かったけど、勝新太郎さんとか今の若い人が見たら衝撃を通り越してショックを受けちゃうんじゃないかと時々思う。内田裕也さんなんて大人しいくらいだよね?笑)
 樹木希林さんといえば毒舌だが、ご本人も認めるほどたくさんの人を虐めてきたという。ある時は長年の付き合いのあるドラマの名演出家・故久世光彦さんが若いタレントを愛人にしていると現場でバラして久世さんと大喧嘩して芸能界を揺るがせた話はとても有名だが、ほとぼりが覚めた頃に向田邦子作品で再びタッグを組んだくらいだから、二人は和解したのだろう。樹木さんは向田作品には欠かせない存在だったし、久世さんが水に流したのかも。
 それでも長年親交があった人たちの評伝によれば、毒舌や喧嘩を持ちかけた人にはそれを耐えられる人にしかせず、心が弱い人には全身で抱きしめて「私も口に出して言える子じゃなかったけど、あなたの胸の中にはたくさんの言葉があるのよね」等と優しく言葉をかけていたそうだ。樹木さん曰く「私は他者の裏側ばかり見ている腹黒い人間でけして善人ではないのよ」と言っている様は、どこか向田邦子先生を彷彿する強さと優しさ。やっぱり類は友を呼ぶなのだろうか。
 姓名診断で本名の「啓子」を見てみると、やはりそういう性格になるように出来ている(笑)。「啓」の字が入った人は個性的で、自分のしたことがたとえ間違っていたと自覚していても頑固に通して、一人でいる時に突然自分のしでかしたことに酷く傷つくらしい。気分次第でなんとかなるような簡単なものでもないらしいから樹木希林さんも相当自分の言動を制御できずに途方に暮れたと思う(苦笑)。名前って知れば知るほど不思議である。
 しかし、亡くなってその存在の大きさに気づいた人が日本中にどれだけいるだろうか。私は向田邦子オタクになる前から何となく好きで、彼女が出ていると見入っていた。コミカルな場面、シリアスな場面でも彼女だけのスタイルで演じ分けていた。ハリウッド映画で老いたシャーリー・マクレーンが出てくる度に、この人と樹木希林さんは重なって見えたりもした。樹木さんが福島の相馬を舞台にした朝ドラ『はね駒』に出た時には私は既に樹木さんが好きだったことを考えると、やはり向田邦子先生のファンになる前からだったのだな。
 内田裕也さんは今頃、樹木希林さんとの思い出に毎日どんな風に向き合っているのだろう。ラリって暴れてもひたすらに耐えて、愛娘の也哉子さんよりもまず自分を優先に生きたことに心から感謝しているだろうか。樹木希林さんにこれほど愛されてたと気づくのには遅すぎたか、いや、ずっと気づいていて不器用な表現でも愛情表現をしていたのだろうか。体がかなり弱って介護が必要らしいから気を落とされないといいのだが…。
 最後に、余談だがそのうち樹木希林さんの名言やライフスタイルを集めたムック本が出ると思う。知人に資料提供を頼まれて、先日送ったばかり。何でも切り抜いて取っておいたりする私は意外と役に立つ女じゃないかね(笑)。来年には発刊される目標で編集中らしいから楽しみだわ。正直に語る希林さんに嘘はないから、誰かの生きる力になるんじゃないかな。








拍手ありがとうございました!

>>わらううたひめさん
そうだったんですね。お休みも大事ですよね。
長年ライターをしておりました。震災後までは細々と内職のようにやってましたが、今は病気で引退状態(笑)
私を助けてくれた人には本当に感謝しかないですね。ご縁というのは不思議なものです。