鳥取県境港市渡町と松江市八束町を中海をまたいで結ぶ江島大橋。ここで撮影したダイハツ工業の軽乗用車のテレビCMが昨年末から全国放送され、話題となっている。
CMで「ベタ踏み坂」と名付けられた急勾配の橋を撮影する人が連日訪れ、ちょっとした名所になっている。

CMは昨年12月28日から放送が始まった。自動車雑誌の編集者に扮(ふん)した俳優の豊川悦司さんと綾野剛さんが軽乗用車「タントカスタム」の性能を検証し、アクセルを目いっぱい踏み込まないと上れない「ベタ踏み坂」の江島大橋を余裕で走行。
ダイハツ工業広報室は「優れた走行性能をアピールするため、急勾配の江島大橋をロケ地に選んだ」と説明する。

橋を管理する境港管理組合によると、江島大橋は全長1446メートル。
5千トン級の船が下を通れるよう最上部は高さ約45メートルに達し、CMで車が走る松江市側は勾配が6・1%ある。

橋の近くにあるコンビニのファミリーマート松江江島大橋店の門脇淳平店長(35)によると放送開始後、同店の駐車場に車を止め、橋を歩いて上ったり、記念撮影したりする人が相次ぎ、客数が30%増えたという。

撮影に訪れた松江市出身で名古屋市に住む公務員の石原健太郎さん(36)は「CMを見た職場の先輩に『あんな橋が本当にあるのか』と聞かれた。
証拠写真を見せようと思って撮影した」と話した。

門脇店長は「江島大橋が『ベタ踏み坂』として有名になり、八束や境港の観光客が増えれば」と期待している。
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