そのくちびるを焼いてやる



恋なんてしない、とあの人は言った。
ただ恋に焦がれるだけで叶わないだけ、悪あがきだね、とあの人を、嘲笑う。

偽善者は嫌い、とあの人は言った。
じゃあ、あなたは自分自身が大嫌いなんだね、とあの人を、嘲笑う。

慈善も悔恨も優越も卑下さえも。
だれかの嘲笑う理由にしかならなくて。

喉をかき切るような悔しさに息もできない。
目を焼き尽くすような羨望に空を裂く。

皆んな、自分を棚上げ、そうでしょう?
ルールがどうの、モラルがどうの、
笑わせないで、あなたの下卑な道徳観。


あなたがいう病気はもしかしたら、盾ですか?
あなたの障害なんてのも、ひょっとしたら武器ですか?
手放したくない、下品で哀れな小さなプライド。


「信じてる」
息するように涙して、
言葉で首をギリギリ締める、
あなたをだれも信じない。

思想や理論を語るだけ、
脳みそカラッポ晒してく。

病んでるわたしかわいいね

量産型になりたくて、
自分は特別、相反し、
どの面さげてその台詞?
そのくちびるを焼いてやる。


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