だらだら日記。

prof bkm

昨日呟いてたSSの事ですが、見直しして色々修正し終わったので投下しますー。
あまりにも書いたの久し振り過ぎてなんかもう訳わかんない事になってますが_(:3 」∠)_

そもそも書き方さえ忘れてて悪戦苦闘しましたとも(´・ω・`)
どうにも描写とか上手い言葉が浮かばなくて何度手が止まったことか…自分の文章力のなさを痛感しました。
とはいえ一応文章にはなってると思うのでまぁいっか←
あんまり捻らなくてもいいんだよ書きたいものを書けばいいんだ…!と自分に言い聞かせながら書いてました(笑)

6月なのでジューンブライドをお題に書いてみましたー。
ロッソの「どうせなら食べる物欲しかった」って台詞がまず最初に思い浮かんだのでこんな話になりました(笑)
ジューンブライドがお題ならもうちょっと甘酸っぱい展開になってもいいはずなのにまぁこの2人ならしょうがないよね(開き直り

まぁ出来は兎も角、楽しく書けたので良しとします(*≧∀≦*)
では以下よりどうぞー。


◆◇◆


ある晴れた昼下がり。

雲一つない澄み切った蒼穹は、ふと見上げるだけでも清々しい気分になってくる。
とある街の表通りを吹き抜ける微風は爽やかで、特に用事が無くともつい外出したくなってしまう程だ。
そのせいか、沢山の店が並ぶ表通りには沢山の人達でごった返していた。

そんな表通りも外れともなれば、賑わいも落ち着いたもので穏やかな雰囲気が辺りを支配する。
様々な人達が行き交う中、時折物珍しそうに建物や店を眺めながら通りを歩く2人の人物の姿があった。

「うーん、今日はいい天気だねぇ。たまにはのんびり散歩するのもいいかもね」

「それは一理ありますね。ずっと引きこもってると身体が鈍りますし」

鮮やかな緋色の髪と瞳の色が目を引く不死鳥の青年──ロッソは、傍らで歩を進める己の従者、ヴィオーラに視線を向ける。
まるで猫のような仕草で背伸びをし心地良さそうに目を細めるロッソに対し、ヴィオーラの方といえば眉一つ動かさず淡々と前方を見据えるのみ。
……と、穏やかな雰囲気に包まれていた通りに不意に賑やかな歓声が響き渡る。
特に目的も無く歩を進めていた2人であったが、ふと耳に飛来した楽しげな声に興味を引かれない筈も無く。

「ん? 何だろね凄い賑やかそう。折角だし行ってみない?」

「ええ。構いませんよ」

まるで新しい玩具を見つけた子供のようにきらきらと瞳を輝かせるロッソの提案に、特に突っぱねる理由も無かったらしいヴィオーラは二つ返事で了承する。
声のする方へと足を運んでみれば、やがて視界の片隅に小さなチャペルの姿が映り込む。
しかも、チャペルの門の前では着飾った人達がわいわいと楽しげに談笑しており。
その中心には礼服姿の男性と、純白のドレスを身に纏った女性が幸せそうに顔を見合わせていた。
そんな光景にロッソは思い当たる節でもあったのか、ふむふむ、と納得した様子で口元に手をやった。

「あー成程、結婚式かぁ。そりゃ賑やかにもなるよね」

「結婚式……? 確か、婚姻関係を結んだ男女が執り行う儀式でしたっけ?」

「そうそう、そんな感じ。それにしても皆幸せそうだねぇ」

「それにしても、何故このような儀式を行うのです? こんな事をせずとも婚姻は出来るのにわざわざ時間と労力を消費してまで行う意義が理解出来ません」

新郎新婦と参列客を微笑ましく見守るロッソとは対照的に、皆目理解出来ない、といった様子で眉をしかめるヴィオーラ。
一方のロッソもまさかそんな事を聞かれるとは予期していなかったようで、良い落としどころが閃かず困惑した表情を浮かべるばかり。

そんな会話を交わす2人をよそに、一際大きな歓声が上がる。
花嫁が投げたウェディングブーケを女性客達が手に収めようとブーケを追いかけているようだった。
所謂ブーケトスと言われているものであろう。

不意に耳に届いた女性達の楽しげな声に、思わず声の主達へと視線をずらす2人。
……と、風の悪戯か、俄かにチャペルを一陣の風が吹き抜ける。
不運な事に風に乗ったブーケは女性達の頭上を飛び越えあらぬ方向へと飛ばされてしまった。

そしてブーケが向かった先、其処には。

「……は?」

あまりに予想外だったのだろう、鳩が豆鉄砲食らったような顔をぶら下げるヴィオーラの手元には可愛らしいブーケがすっぽりと収まっている。
その結果、ブーケを手に入れた人物は一体誰だろうと参列客達の好奇の視線を一身に受ける羽目となってしまったヴィオーラは居心地悪そうに眉をしかめるばかり。
どうしたものかと視線を彷徨わせていると、鈴の鳴るような可憐な声がヴィオーラの耳に飛来した。

「あら、ブーケをキャッチして下さったのは貴方ですね」

「あ、いえ……私は式の参列者ではありませんし、此れはお返し致します」

「いいんですよ、気になさらないで。これも何かの縁ですもの、是非受け取って下さい」

慌ててブーケを返そうとするヴィオーラにゆるゆると首を振ってそれを拒む花嫁。
そう言葉を返してふわりと花のような笑みを零す花嫁は、世界の誰よりも美しく、誰よりも幸せそうであった。

「……どうか、お幸せに」

「ありがとう。それじゃあ、次は貴方の番ね」

知り合いでも、何でもないというのに。
花嫁の輝かしい未来に満ちた微笑みを目にした途端、自然とヴィオーラの口から祝福の言葉が零れ落ちていたのだ。
花嫁はその言葉に嬉しそうに微笑んでから、チャペルの方へと戻って行った。

「……よく分かりませんが、くれるというのなら貰っておきましょう。なかなか綺麗な花束ですね」

「へぇ〜。でもどうせくれるなら食べれるものの方が良かったなぁ」

「……」

「いや冗談だからね!? 何か言ってよ!?」

何言ってんだこいつは、と心底呆れ果てゴミでも見るような視線を向けるだけのヴィオーラに、すぐさま弁明するロッソ。
全く、と小さく溜息を零せば、

「まぁ、いいでしょう。それでは戻りますか。何故結婚式というものを挙げるのか……何となくその理由も分かった気がしますので」

「え、そうなの? 俺にも理由教えてよー!」

「そのくらい自分で考えたら如何ですか。ほら行きますよ」

「ちょ、待ってってばー!」

それだけ返すとさっさと踵を返すヴィオーラの口元には、僅かに満足げな微笑みが浮かんでいて。
きっと、式を挙げた2人にはこれから沢山の幸せと祝福が待っているのだろう──…そんな事を思いながら。


戻ってきた後、そういえば花嫁が言っていた『次は貴方の番ね』という言葉の真意が気になり、文献を調べ上げて漸く意味を突き止めたヴィオーラが驚愕するのは、また別の話。



19.6.16 23:26 Sun / comment 0


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