D「おわっちゃったなーー。
信じられないくらい優しくて、あったかくて、他愛ない。
そんな毎日は永遠に続くんじゃないかってくらい、輝いてたのに。
こんなにあっけないなんてね。」


田中氏「『若さとは良くも悪くも今日が永遠に続くと思っていることです』」


D「だれだっけそれ」


田中氏「よしもとばなな」


D「名言だなーーーまさに私じゃん。滑稽だなーー」


田中氏「さらに『異常に閉じこめられた気がしたり、ものすごく解放されたりする様々に揺れる気分でも、時間はたってゆく。誰もが生きていかなければならないのです。』」


D「まあ、わかってるよ。
わかってるけどさ、今日が最後なんてやっぱり信じられないなあ。
「また明日ね」が「ばいばい」になって、そこでやっと、ああ、さよならなんだな、って。
電車で過ぎてゆく景色を見ても、ああこれもさよならなのか、
制服脱ぐのも最後なのか、とか。」

D「みんなそれを誤魔化すみたいに、「また絶対会おうね」とかいうけどさ、
オトナの私はわかってるよ。もう会えないんだなって。私は成人式もみんなと違うしね。
そんで数年後に街中であったとしても、声なんてかけないし、向こうもかけてこない。
人間っていうのは「今」にしか生きられない。
「今」という世界に「過去」にクラスが同じだった程度の友人が入り込むのは相当難しんだよ。

わかってんだよだって、二回目だしね。

でもきっとこれみんな無意識だけどわかってるでしょ?
けどさー、やっぱり、少しでも希望がほしいじゃん。
だから「絶対会おう」なんて軽く言うの。誤魔化すの。
もう二度と会うことも、話すこともないのに。」


田中氏「まあそう考えていた方が、そうなった時傷つかないでいいから固定してるんでしょ?」


D「まあそれも多少はあるけど。けど、時間がたてば過去のクラスメイトなんてどうでもいいじゃない。
実際私もそうだったし。予防線もあるけど、事実だよ。」


田中氏「なんで意固地になってるの。」


D「なんかいらいらする」


田中氏「オトナなんじゃないの」


D「そういえば私「若い」んだった。」


田中氏「あきらめればすっきりするのよ。だからあきらめようと必死になってる。
まあそれなりの時間も必要でしょう。」


D「そっか、なるほど。だからこんなにむかむかするのか。
けどなんでかなあ。くやしいよ。これは本当に仕方がないことなのに、「今」が「過去」になってしまうことが許せない。
たのしかったんだ。何もかもが。あったかかった。もっと一緒にいたかった。

これはどうすればおさまるのかな。」


田中氏「そんなの、わかりきってるでしょ。コドモになればいいのよ」


D「ああ、なるほど・・・。




しょっぱいなあ・・・。」














2014/03/07 16:11


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