増谷英樹

ウィーンの歴史を豊富な図と当時の資料画像で解説する興味深い一冊でした。

特に面白かったのは巻末の年表の中世で、市街地の大火災とペスト大流行と七日間にわたる隕石の到来が短いスパンで来ていたことです。隕石の到来とか上京が謎すぎます。これは世界が終わると思いますよねー…。
あとハプスブルクの成り立ちの流れで、同じ名前同士が対立したことです。読んでいてややこしくて笑いました。

冲方丁の『シュピーゲル』シリーズはウィーンが舞台なのですが、読んでいて漠然と知っていたことを、その歴史的な流れを含めてどんどん把握できたので、点と点が線になる感覚を味わえました。こういう拝啓があるから『シュピーゲル』シリーズはこの都市が舞台でなければなかったのだろうなと思いました。

ハプスブルクや第一次世界大戦の引き金、ナチス時代などの有名どころの解説も勿論ありますよ。
第二次世界大戦前、ヒトラーがウィーンに来る前の政党のぐちゃぐちゃ具合がもう。