ケトルはふっと肩の力を抜いた。

「あー……、でもなんだか落ち着いてきたかもしんない。そーだよなー。ちょっと短絡的に判断しすぎだよなー」

うんうんと一人で頷いている。

「あ! 冷静になったら急に恥ずかしくなってきた! 何よりもミーナに申し訳ない!」

「赤くなったり青くなったり忙しいねぇ」

「だって、ミーナの気持ちを都合良く勘違いするなんて。ミーナに失礼だし、おれも情けないやら恥ずかしいやらで、もうぐっちゃぐっちゃだよ!」

ケトルは自らの頬を叩くと立ち上がった。

「だからちょっと走ってくる」

「急だね!?」