ミーナが話したのは、大まかにこんな内容だった。
昨日はケトルと二人で給仕をした。ケトルはある冒険者の一団が気になるようで終始そわそわしていた。露出度過多の踊り子らしき女性がいたから、その人が気になるのだろうかと思ったが。

「違ったんです……。ケトルさんが見ていたのは筋骨隆々とした初老の男性でした」

「オレもそのじいさん見たヨー。動きがただ者じゃなかったヨー」

「白髪を束ねた、眼帯の老人だった、な。確かに、年齢にしては見事な肉体だった」

リャオとサイードが口々に言う。