冲方丁


再読。


MSSの長い一日。

ウイルステロに襲われるMSS――容疑をかけられる冬真――裏切り者の存在。

時系列は『オイレンシュピーゲル』が聖週間、こちらはその中の一日を切り取り二時間ごとに進行しました。巻末に時系列が整理されているのでご参照ください。
久し振りに読み返すと鳳のイグナツさん警護シーンとか結構忘れているなーと新鮮でした。というかイグナツさん思っていたよりも若かったです。
一巻から登場していたあのキャラがお亡くなりになるの地味に辛いですね…そんなに愛着がわくキャラでもないのですが。
今回の白眉は水無月です。ただの変態キャラではないのに変態性のインパクトが強すぎてその印象に引き摺られていた彼ですが、一気に株を上げました。母親の言動は本気で無理ですが…(でも私も同じ目してそうだと思ってしまうのが本当に嫌でたまりません)
鳳がいないところで面倒見の良くなる乙の次女性、好きです。

全編通しての緊張感が凄まじく、ラストまで一気に読んでしまいました。特甲の使えない状態で車の行く手を阻むのとか、もう。だから『スプライトシュピーゲル』ではこの巻が一番好きです。Wの世界統一ゲームも捨てがたいのですが!

巻末のおまけの気の狂った感じは一体…?『オイレンシュピーゲル』のよりも狂気が増している気がするのですが…。